2/29
いやぁー、レオ取ったねぇオスカー。個人的にはそんなに思い入れがないので、取ろうが取るまいがどっちでもよかったんだけど、取れなかったら本人がどうこうというより、レオ・ファンが暴動でも起こしそうなムードだったので穏当なところに着地できて良かったんじゃないですか。レオ絡みではこの動画が面白かった。
i can't stop laughing at this #Oscars pic.twitter.com/ABWkn1oTEy
— Dylan (@pettyyonceh) 2016年2月28日
推していた『マッドマックス』に関しては、前評判からして取るだろうとは思っていた技術部門で、とはいえ思っていた以上に取ったという感じ。これで充分とは言えないけど、今回の最多となる6部門獲得はやはり快挙なので、アカデミーから正当に評価された結果と言えるのではないかと。その代わり、今回どうしても引っかかってしまうのはスタローンが助演男優賞を取れなかったことかなあ。マーク・ライランスが上手いのは間違いないんだろうけど、今回は別にスタローンにあげても良かったんじゃない?『クリード2』であげればいいなんて言ってる人もいたけど、ストーリー的に考えても2にスタローンが出演する保証なんてないんだし、今回あげておくべきだったと思うなあ。
#Oscars: Jacob Tremblay reveals why he punched Sylvester Stallone in Instagram shot https://t.co/FlYAl2jg3q pic.twitter.com/Subabr6Opy
— Hollywood Reporter (@THR) 2016年2月29日
アウォードのもうひとつの目玉といえば、麗しき女優陣による美の競演があるわけで、そういう意味でも今回は楽しめた。
格好良さでいえば、我らがフュリオサ大隊長。笑顔も素敵。
Backstage at the #Oscars with @CharlizeAfrica pic.twitter.com/uqZBSmT09y
— The Academy (@TheAcademy) 2016年2月29日
※ジョージ・ミラー御大との再会。
格好良さではもうひとり、レイチェル・マクアダムス(『スポットライト』)も。
華やかさでいうとやはりケイト・ブランシェットがぶっちぎり。正直『キャロル』で共演したルーニー・マーラのファッションはピンとこなかった。
BUT WAIT. CATE BLANCHETT FUCKING CUT HER HAIR!!!!? OMG WTF. YESSSSSSS QUEEN 😍😍😍 pic.twitter.com/SknF1eOL3V
— LoveRooneyMara (@LoveRooneyMara) 2016年2月29日
今回のダークホースっていうんですか?全く期待してなかったんだけど、一目見てその優雅さにハートを鷲掴みにされたのは、『ルーム』のブリー・ラーソン。さすがグッチ。
#Oscars: Will @BrieLarson win Best Actress tonight? https://t.co/0zFa1B2OwG https://t.co/dORetLfW38
— Hollywood Reporter (@THR) 2016年2月29日
『美女と野獣』のベルそのものと評判で、確かにめちゃくちゃ可愛いんだけど、ちょっと子供っぽすぎる?なアリシア・ヴィカンダー。
で、最後に個人的に1番グッときたのがジェニファー・ローレンス(『JOY』)。ディオールのドレスがセクスィー!ジェニファー・ローレンス好き好き!
2014年K-POPベスト10
以前別のところにアップしていたものを再掲。この年はボーイズ・グループ縛りになってます。
10. Super Junior - Shirt
映画備忘録「1月」
『クリード チャンプを継ぐ男』ヤバいっしょ。 pic.twitter.com/mSiqGdpk79
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 1
ベタだけど、軽くステップとか踏みながら帰ったりしちゃうよね。
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 1
『ロッキー』シリーズのランク付け。
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 3
7=『クリード』
6=『ロッキー・ザ・ファイナル』
1>7>6>2>3>5>4
『マッチポイント』EP2、EP3と続いて、『エディプス王』のような父の罪を背負わされる呪われた一族の物語を描いてくれないと、ダメ男の性的に身も蓋もない話好きの俺でも感情的には全然納得いかないオチだった。とは言え、人生ってそういうもんだろ?と言われてしまえばぐうの音も出ないが。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 3, 2016
『エリザベス』エミリー・モーティマー繋がりというのは冗談で、単なる偶然なんだけど、観ている間に感じた軽快な部分と苦い部分のバランスには通じるものがあった。あとケイト・ブランシェットが乙女から女王へと別人のようになっていく様は圧巻。別の視点から見ると最強の女王育成物語でもある。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 4, 2016
『エリザベス』カイロ・レンみたいな格好をしたダニエル・クレイグの間抜けな感じも面白かったが、ここでも拷問を受けていたのか!と拷問俳優としての年季の入りっぷりに震えた。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 4, 2016
『ホロウ・クラウン』のリチャード二世、面白かった。結局3話トータル2時間ぐらいなので、劇場用サイズで一本にまとめてくれてもいいような気もするけど、1話1話が濃密過ぎるので一気に観たらグッタリすること必至w
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 4, 2016
とにかくベン・ウィショーが凄い。舞台ならまだしも、ドラマでこんな厄介な台詞回しのトリッキーなキャラクターを浮いたりさせずに違和感なく演じきるって…。雰囲気だけで人気ある人なのかと思ったら全然違うので驚いた。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 4, 2016
『第七の封印』正直飲み込みきれてないけど、『神々のたそがれ』や『ポエトリー アグネスの詩』なんかと共鳴する、「芸術」を通して神と触れる系の作品なのかな、とか思ったり…。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 7, 2016
結局あらゆる死の不安を前にして俺たちは無力なのだよ。ホラをはじめとしたイマジネーションでしかその不安に立ち向かうことはできない…
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 7, 2016
『小悪魔はなぜモテる?!』面白かった。原題の『Easy A』がどれだけ気の利いたタイトルなのか観れば分かるという感じの知的コメディ。観てないのに引き合いに出して申し訳ないけど、入り口は『偽装の結婚』と似たような感じといえば、興味を持ってくれる人もいるかな。主演はエマ・ストーン。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 10, 2016
エマ・ストーン演じるオリーヴの家族の描き方が良いよね。それが、彼女がここまでリベラルな良い子でいられることのリアリティを生んでいる。そういったディティールの積み重ねがしっかりされているので、かなり無理のあるストーリーでも飽きさせずちゃんと笑える作品になっている。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 10, 2016
『アタック・ザ・ブロック』 「ジョン・ボイエガ若っ!」てのと、ボイエガがジョディー・ウィッテカーに「クッション取って」と言われる件が『フォースの覚醒』でデイジー・リドリーに怒られるシーンの元ネタなのか?なんて思った以外全然ピンとこなかった。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 12, 2016
教養ないので団地の19階ってのは出エジプト記19章シナイ山の件とかけてるの?ぐらいしかわからないんだけど、きっと色々なしかけが施されてるんでしょうなぁ。知らんけど。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 12, 2016
『イット・フォローズ』あぁ、ここで終わるのか、っていう。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 14, 2016
『クリムゾン・ピーク』ビジュアル拘り過ぎのド変態映画。おかげでセットの迫力凄いし、ミア・ワシコウスカも超可愛いんだけど、その拘りのせいで蔑ろにされてしまった部分もあるのではないかと。あと怖くはない。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 14, 2016
エンドロールまで凝ったものにしてるのに、始まった途端席を立つ輩はなんなんだ?「お前らデル・トロ作品と知っての狼藉か!」なんて思ってたら、狙ったようにエンドロール自体に豪快なオチが用意されててニヤけてしまった。これから観る人はすぐに席を立たない方が良いよ。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 14, 2016
ミア・ワシコウスカの眼鏡画像が見つからないのなんで? pic.twitter.com/Dqtkf0t8W6
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 14, 2016
『ナポレオン・ダイナマイト』最後まで観ても何の映画だか分からない(時代設定もハッキリしない)のにあまりの感動に涙してしまうという真の前衛映画。ひとつだけハッキリしてることは、アメリカが本気でポップ・ミュージックの力を信じてるということだろうか
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 15, 2016
2013年に本来のタイトルに改題されたらしいけど、プライム・ビデオで観たやつはオープニングタイトルの字幕が『バス男』のままだった。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 15, 2016
『黒い十人の女』船越英二演じる「風松吉」が映画史に残る途轍もなく軽薄なキャラで驚く。「優し過ぎる」が上に次々と女をつくっていくこの男を、妻と9人の愛人たちが共謀して殺害を企てようとするオフビート・コメディ? 最後まで男は何で恨まれてるのか分からないというところがリアル。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 16, 2016
『ブラック・スネーク・モーン』ある意味完璧な音楽映画。クリティーナ・リッチが鎖に繋がれているメイン・ビジュアルのせいで猟奇的な作品に見えてしまうかもしれないが、内容は全く逆で、こんなストレートな愛に溢れた映画はなかなかない。 pic.twitter.com/cNMYMFsPi3
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 17, 2016
ソフト化の際にこちらのビジュアルが採用されたのもある意味納得というか。日本盤はそのままだったみたいだけど… pic.twitter.com/goT0uAMRgj
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 17, 2016
悪魔を追い払うのではなく、悪魔を内側に鎖で絆すという対処法。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 17, 2016
『メイン・テーマ』時折ゴダール的なものにタッチする瞬間がスリリング。でも残念なことにゴダール作品より音楽のセンスが良すぎる。恐るべし塩村修。『愛情物語』との二本立てで1984年邦画配給収入、第2位。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 18, 2016
『欲望のバージニア』シャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ミア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ガイ・ピアース、デイン・デハーンと豪華キャストにも関わらず、ただ出来事を追っていくだけの残念極まりない映画だった。脚本はニック・ケイヴ
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 20, 2016
『キャロル』ルーニー・マーラがピアノを弾くシーンがあるんだけど、あそこ最高。あと、わりと前半に此岸から彼岸へ旅立つことをこちらに印象付けるシーンがあるから、そこから先は「もう迷い無し」って感じだったなぁ。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 22, 2016
主演2人の細かなやり取りに関して語りがいのある作品だから、早くみんなに観てもらいたい。
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 22, 2016
スターの後姿。 pic.twitter.com/DnTv49LISq
— ™OM (@co2bjetdudesir) January 22, 2016
主演2人が素晴らしいのはもちろんのこと、'50s、デパート、クリスマス、ビリー・ホリデイだからね。ダメなわけないっていう。
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 22
『サウルの息子』子を持つ親の視点で観たら気が狂いそうになる内容なのではないかと。個人的にはそこまでドスンとは来なかったけど、『炎628』なんかと比較して考えたくなる作品だった。ちなみに『炎628』の原題は『Come and See』 pic.twitter.com/0ZtYJ3EgVS
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 27
ヒッチコック『めまい』映像が綺麗でビックリ。タイトル映像だけなら今の作品と言われても気づかないレベル。あと眼鏡キャラのミッジがジェーン・スーさんにしか見えない。彼女が主人公にとるある行為が『わたプロ』の項目に追加してもいいようなゾッとする行為で、劇中1番ショッキングなシーンだった
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 30
『ヤング≒アダルト』凄まじい作品だった。そこまでやるかシャーリーズ・セロン!という観点では『モンスター』より壮絶。サンリオは怒った方が良いと思うし、全く共感できない内容だけど、俺はこの作品好き。
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 30
『ジゴロ・イン・ニューヨーク』ジゴロのジョン・タトゥーロと、彼を客に斡旋するピンプのウディ・アレンによる男娼ビジネスの物語なんだけど、これが映画としてのルック、ジャズがメインの音楽含め全て最高というとんでもない作品で、こんな作品が楽しめるようになるとは、自分も年をとったなぁと。
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 31
ブルックリンのユダヤ人コミュニティが主な舞台で、ウディ・アレンの奥さんと連れ子は黒人、シャロン・ストーンのGFはコロンビア人のソフィア・ベルガラ、ラストにチラッと出演しているローン・シャバノルはヴェトナムと独と伊との混血のフランス人とNYってこんな感じなのかと感心することしきり。
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 31
とにかく可憐なヴァネッサ・パラディは、敬虔なユダヤ教信者の未亡人を演じてます。 https://t.co/7qU7ZbnMp4
— ™OM (@co2bjetdudesir) 2016, 1月 31
1ヶ月でフォースは覚醒できるのか ⑤
そして迎えた12/18。
覚醒するぞっ! pic.twitter.com/MTtwfq7c6B
— ™OM (@co2bjetdudesir) December 18, 2015
何かの緊張から左手が痺れてきた…
— ™OM (@co2bjetdudesir) December 18, 2015
予習期間が1ヶ月の超若輩者でも「面白くなかったらどうしよう…」という不安からくる緊張で謎の痺れに襲われるぐらいだから、オリジナル3部作をリアルタイムで観た世代なんかはどうだったんでしょうね。自分の症状の具合から推測すると、宇多丸さんが言ってたように「ジョン・ウィリアムスによるオープニング・テーマが流れた途端感極まって死ぬかも」って話はあながち大袈裟な話とも言い切れないですが、実際死者が出たという話は聞かないのでさすがに大袈裟だったんでしょう。
観たのが都内にある主要映画館ではなかったので、満員ではあるものの、想定していた「コスプレ組などの熱狂的ファンが大挙して押し寄せ大興奮」といった状態とは違い、だいぶ落ち着いた雰囲気の中、18時30分上映の回を鑑賞。時間になるとそれまで流れていた劇場アナウンスがぶつ切りされ暗転、予告編なしでいきなりルーカスフィルムのロゴが出てスタート。お馴染みの「A long time ago in a galaxy far far away....」の文章(ご存知かもしれませんが、この文章をgoogleで検索するとある仕掛けが…)が流れて「おぉー!」という歓声が落ち着く間もなく例のオープニング・テーマが流れて会場中で拍手が巻き起こるという展開。やはりここにも熱心なファンが集っていたのだと、この祭りの高揚感だけでチケット代の半分は元を取った気分でしたが、ど頭のストームトルーパーの輸送シーンの格好良さだけで本作は大丈夫という手応えを感じたので、開始早々に「面白くなかったらどうしよう…」という不安からは解放されていました。
で、この記事は『フォースの覚醒』への導引記事なので、これ以上内容のことについて触れるのは控え、ネタバレ全開記事はまた別の機会に、ということにしますが、本作を観た感想は一言で言うとこんな感じです。
キタっ!キタ!フォース覚醒した!
— ™OM (@co2bjetdudesir) December 18, 2015
この記事を書いてる時点では、本作を3回観てわりと冷静になったつもりでいますが、それでも「『フォースの覚醒』最高でしょ!」という感想に変わりなく、やっぱりどう考えても製作陣はよくこんな無茶なことを成し遂げられたよなぁと感心するばかりです。初回鑑賞時は旧作の引用、もしくは反復によって組み上げられた「シリーズ7作目」という印象が強かったのですが、そういった印象はむしろ2回、3回と観ていくうちに薄まっていき、「SWの新作」であることを宣言するためには欠かせないありとあらゆるSW的要素をひとつにまとめ上げた、新3部作の土台として盤石な「新シリーズ1作目」という印象に変わってきました。
何はともあれ『フォースの覚醒』最大の魅力はレイの存在ですよ。まずルックスがツボなのもありますが、ユーモラスで明るく、誰かに頼らずともサバイブできる強さがありながらも、圧倒的に暴力的な存在に怯えたり、孤独になることを恐れたりと、人として当然あるべき弱さもきちんと見せてくれるキャラクターであるレイ。彼女がここまで魅力的なキャラクターでなかったら『フォースの覚醒』にここまで肩入れしなかったでしょうね。正直旧作にはいなかった推しキャラ(あえて挙げるならC-3POだけど)がEP7にして遂に登場ですよ。
時折、山本彩とダブる受け口美女のデイジー・リドリー演じるレイ
映画は女優中心で観る質なのでプリクエルのパドメには期待してたんですけど、EP2以降のパドメがアナキンの添え物的な、凡庸な女性キャラに堕ちてしまいプリクエル自体の評価にも影響したのですが、レイにはその心配が無さそう(ルーカスが脚本に参加してない、なにより『アナ雪』を生んだディズニー制作、等の理由で)なので、EP8以降もパドメのように落胆をせずとも済みそうです。それにレイのような奥行きのある人物造形は相棒であるフィンにも、敵役であるカイロ・レンにも当てはまり、こういうキャラクターの描き方は、個人的には旧作より優れた点としてあげても良いと思います。その分ダースベイダーのような「魅力ある圧倒的な悪役」が存在しえないのは痛し痒しでしょうが。
そういった魅力的な新キャラの存在もあって無事私の好きなエピソードのNo.1になってくれた『フォースの覚醒』。そのタイトルにつられるように私のスター・ウォーズ熱も覚醒(とりあえずレイのベーシック・フィギュアと大著『スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか』なんかを購入)してしまったわけですが、あまり人様のブログを覗いたりしないので、今世間のEP7に対する評価がどうなっているのかよく分かりません。アメリカでは当初の絶賛モードに対するバックラッシュが起きてるなんて話を聞きましたが、自分の中での『フォースの覚醒』の評価軸はレイなので、今後そんなに評価が大きく揺らぐことは無いと思います。むしろ心配なのは、無邪気にレイ、フィン、BB-8が走り回れた本作とは違い、必然的にユーモラスなやりとりが減ることになるであろう次作EP8のことでしょうね。まぁ、それも「果たして無事EP9まで見届けることができるだろうか」という心配と比べたら取るに足らないことですが。
1ヶ月でフォースは覚醒できるのか ④
これでとりあえず旧6作は一周したのですが、正直この程度の煮え切らないテンションではSWの魅力の本質を掴んだとはいえず、心のライトセイバーも半勃起状態、これではいかん!と自分を奮いたたせ、今度はオリジナル3部作をBlu-ray特典であるスタッフの音声解説付きで鑑賞してみることにしました。
文中の内容とは関係ないが、韓国のアイドルグループEXOのSTAR WARS公式コラボレーション曲「LIGHTSABER」。ライトセーバーの刃は最後に一瞬しか映らない。
結論からいうと、この読みが大当たり。これはテレビで放送されていたSWを観てピンとこなかった人たちにもオススメしたいです。各タイトル毎に2バージョンの音声解説が付いてるのですが、今回はジョージ・ルーカス、キャリー・フィッシャー、アービン・カーシュナー(自身が監督した『帝国の逆襲』のみ参加)、ベン・バート、デニス・ミューレンによるバージョンを再生。制作の裏話や思い出話*1、ルーカスの弁解等々、その内容の面白さもさることながら、ここで特に注目すべき点は、この関係者が入れ替わり立ち替わりSWについて色々喋っているのを聴いてるうちに、作品自体がみるみるうちに面白くなっていくことでした。SWについて語ることが、SWの作品世界の描ききれなかった部分を補強していく様子が実感できたのです。
唐突に結論めいたことを言いますが、これがSWの魅力の本質だったのでしょう。そんなに多くはないですが他作品の音声解説も聴いたことはあります。そういったものの多くがより深く作品を知るために機能していることは知っていますが、ここまで作品への評価を劇的に変化させたものは初めてでした。これは音声解説自体が優れているという話ではなく、おそらく作品と音声解説の相性が良かったのではないでしょうか。あと、SWには歴史があります。作品自体は観てなくてもSWを完全に避けて生きて行くことが不可能に近いこの世界を生きる、SWとほぼ同世代である自分には約30年の間に積み重ねられてきた(おぼろげではありますが)SW知識がありました。その知識と音声解説で語られる関係者のSWに対する想いとが相互作用を起こし、SWとの間にあった時間的隔たりを一気に埋めてくれたのです。まるで眠っていた作品が目を覚ましたような、本当に新鮮な体験でした。
ですが、音声解説は所詮ソフト化された際に付いた特典です。SWファンの中でも音声解説の内容を知らない人はたくさんいるでしょう。それに私が特に引っかかっていた時間的隔たりなど関係ないリアルタイム世代もいるでしょう。では彼らにとって音声解説にあたるものは何なのか。おそらく、SW好きの友人との会話や、二次創作といったものがそれにあたるのではないでしょうか。それこそタマフルでEP7公開までの半年間をかけて行われた月一連載企画:月刊『わたしのスターウォーズ』も多くのSWにとって音声解説的な役割を担ったはずです。私の場合は残念ながら放送時にまだSWを観てなかったので、その機能を生かしきれませんでしたが、観た後に聞き直してみるとやっぱり余計に面白い。SWのようにあらゆる角度から切り込んで語れる作品にとってはポジティブな意見に限らず、ネガティブなものでも見識を深めるのに大いに参考になりました。前回のプリクエルの感想を読んで頂ければわかるように、ネガティブなものこそ語り甲斐があるなんてもこともありますし(ファンの中にはプリクエルのことは触れるのも嫌だという人もいるでしょうが)。
あらゆる意見やファンによる二次創作物などを飲み込んで拡張するSWの世界は、自分から能動的に参入していくことで面白さを享受できる特性があるようです。SWに熱くなっている人々を遠くから眺めて「SWってそんなに熱くなるほど面白いかぁ?」なんて在り来たりな感想を抱いている人(まさに私自身がそうだった)には、ただ作品を観るだけではなく、あと何かしらアクションを起こしてみることをオススメします。アクションといっても大袈裟な話ではなく、SWに対しての感想を頭の中で整理してみるとか、グッズを買ってみるとかだけでも何かしら変化が起こるかもしれません。ここまでの流れでお気づきかもしれませんが、このブログの記事もそういったアクションのひとつなのです。
*1:特にキャリー・フィッシャーのコメントが彼女本来のキャラクターが滲み出てくるような内容で最高。
Life can only B understood backwards BUTit must B lived 4wards"said Kierkegaard, B4 Blieving& tweeting it 🆙side down pic.twitter.com/wCSbgXc7WI
— Carrie Fisher (@carrieffisher) August 17, 2015
1ヶ月でフォースは覚醒できるのか ③
続いて評判の悪いプリクエル3部作を鑑賞。公開当時プリクエルにあまり惹かれなかった理由はそのルックの悪さにあって、オリジナル3部作が爆発的人気を誇った大きな理由として特撮的質感や独創的なルックにあったのに対して、CGによるツルっとした質感で凡庸なプリクエル3部作のルックの悪さは致命的。今回初めてちゃんと観ましたが、その悪印象が覆るようなことはありませんでしたね。ただ、だからと言ってプリクエルが巷間言われるほど悪い作品かと言われれば、そこまでボロクソに叩かれるほど悪くないのではないか、というのが私の感想です。
SWファンから忌み嫌われているジャー・ジャー・ビンクスですら、そんなに嫌いになれないというか。確かにジャー・ジャーは死ぬほどイラつくキャラですが、人種(異星人やドロイドまで含め)、性別分け隔てなく共に暮らす「共和」を理想に掲げるSWの世界では「ジャー・ジャー・ビンクスのようなやつとでも手を取り合って平和な世界を築いていかねばならない」というのはSW世界の創造主ジョージ・ルーカスによる託宣であるのだから、真のSWファンであることを自認するならば、むしろ率先してジャー・ジャーを擁護すべきなのではないかと思うのですが、それでも多くのSWファンがそれを拒否しているということはなかなか興味深いポイントでもあります。
そのあたりのファンとルーカスの対立構造はドキュメンタリー映画『ピープル vs ジョージ・ルーカス』で確認できますが、やはりプリクエルの問題(ミディ=クロリアンの存在などもありますが…)はルーカス自身の存在が作品の中で前景化してしまったことにあるのは明白です。ですが、私がプリクエルに対して比較的肯定的な立場をとる理由は、作品に蔓延するそのルーカスの作家としての切実なる承認欲求を否定することができないことにあります。オリジナルは連続活劇を意識して作ったものなのだから、子供向け映画といった批判がどうであろうと大ヒットした時点である程度目標は達成できたはずなのですが、やっぱりドラマとしてクオリティの高いものをつくって認められたいという作家としての欲求は抑えきれなかったのでしょう。権威的な父との確執から自身をルーク・スカイウォーカーに重ねていたオリジナルから、自身がダース・ベイダー化していく様とアナキン・スカイウォーカーがダーク・サイドに堕ちていく様を重ね合わせたプリクエルへという流れに関しては散々語り尽くされていることでしょうが、プリクエルを観ていると単純にルーカスはそういった神話的モチーフを援用した重厚なドラマが作れることを証明して世間に認められたかったのだという風にしか見えませんでした。そのことは、自分の実力を周りが認めてくれないことに対するアナキンの苛立ちが、アナキン自身をダークサイドに傾かせる大きな理由であることからも窺い知ることができます。私はそういう作家自身が抱える病と向き合う作品が好きなので、プリクエルに対して肯定的な立場をとってしまいますが、これは批判や揶揄でもなく、そんなことは多くのSWファンにとってはどうでもいいことなのでしょう。このことはジャー・ジャーの件と同じように、SWの魅力の本質を知る手がかりになる要素のひとつだと思います。
私はこの時点で「SWとして1番面白いのはEP6、映画として1番面白いのはEP3」だと思っていました。ルーカスはプリクエルの制作で自身の願いをある程度叶えたとも言えるし、SWファンの存在を軽視した姿勢に取り返しのつかない大きな失敗を犯したとも言えて、このアンビバレントな要素が入り混じった様がプリクエル独自の味わいを醸し出しているように思います。私はプリクエル、嫌いじゃないですね。
1ヶ月でフォースは覚醒できるのか ②
とまぁ、大げさに言ってはみたものの、基本夏休みの宿題は8月末ギリギリにやるタイプの人間なので、前述のティーザーを観て即「12月の公開に向けて予習を始めるぞ!」とはならず、会話の内容がほとんど理解できないタマフルの「月刊 わたしのスターウォーズ」を聞いたりはしつつ、ダラダラと終わりなき日常を生きていたのですが、気づけばもう11月18日。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』オープニング3日間の日本全国“同時刻”特別上映、座席指定チケット先行受付開始日じゃないですか!チケット争奪戦になることが予想されていたので、日付が18日になった0時頃「まぁ、行きつけの劇場でIMAX3D上映のチケットが取れたら観に行こうかな」と一応公開初日18時30分の最速上映回のチケットを目当てにチケット販売サイトを覗いてみたところ、全く繋がらない。多少時間が経ってサイトに繋がるようになっても、販売開始状態になってないので買えない。こうなると人間焦ってくるもので、急いでIMAX上映のない別の劇場の2D上映の最速回のページを開いてみたところ、ほとんどの席が埋まっているにも関わらず、何故か劇場中央ど真ん中の席が1席だけ空いている!おそらく誰かがキープ状態にして買えなかったものがキャンセルされた瞬間に立ち会ったと思われるのですが、この時点で冷静さを失ってるので「これはフォースのお導きに違いない」と混乱状態のまま、その座席のチケットを即購入。結局IMAXのチケットは朝になるまで買えなかったらしいですが、2Dで最初に観て面白かったら後日IMAX3Dで観るということでチケットに関するゴタゴタは切り上げて、12/18の上映のためにコンディションを整えることに気持ちを切り替えました。
SWファンだらけの公開初日最初の上映回にいても気後れしなくてもすむように、とりあえず最低限やっておくことは「SW旧作6本を観てSWの魅力の本質を掴む」ということになりますが、公開日まで1ヶ月の猶予があるとはいえ、ここからSWのことだけ考えて生活するなんてことは移り気な性格の自分には到底出来そうにもないので、自身に多少プレッシャーをかけるような意味で、ちょうどリリースされたばかりの「スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイコレクション(9枚組)」を思い切って購入。「コンプリートと銘打っておきながら、収録されているのは所詮『特別編』だろ?」という、うるさ型ファンの声が聞こえてきそうなところ耳を塞ぎ、まずは可能な限り細部にまで意識を集中しながらオリジナル3部作を鑑賞してみることにしました。
スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイコレクション(9枚組) (初回生産限定) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2015/11/13
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (10件) を見る
「まぁ、面白いっちゃ面白い。けど…」
これがオリジナル3部作を一回通して観た正直な感想です。前述したように、幼少時に断片的には観ているので、オチは知っているというか、話の流れはほとんど知ってるわけです。この後どうなる?といったハラハラ感が一切ないまま、記憶の断片と断片の間を繋いでいくような体験。『新たなる希望』(1977)のオープニングというか、SWサーガ全体のオープニングでもあるタトウィーンのシークエンスや、『ジェダイの帰還』(1983:公開時は『ジェダイの復讐』)でのジャバ・ザ・ハットとボバ・フェットのシークエンスなど、当然全く見覚えのない箇所もあったのですが、『帝国の逆襲』(1980)には見覚えのない映像が殆どなかったので、もしかしたら忘れてるだけで、本作だけは通して観ていたのかもしれないということに気づかされたりもしました。そんなこんなで、全ての記憶の断片が線で繋がったとしても、正直「SW最高!フォー!」となるような作品だとはとても思えませんでしたね。公開当時と現在では時間の隔たりがあまりに大きく、技術面や社会状況の違いなどにより、そのような反応になってしまったのかとも思いましたが、SWと同じように『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の公開に合わせて観た旧作1(1979)と2(1981)に関しては、時間的な隔たりがあまり気にならず「マッドマックス最高!フォー!」となったので、とりあえずここではオリジナル3部作に対する判断は保留にして先に進むことにしました。