映画備忘録「4月」
『トゥルー・グリット』不思議な味わいの西部劇。13歳とは思えない演技を見せるヘイリー・スタインフェルドが素晴らしいけど、彼女が受賞出来ないのなら、アカデミー賞無冠の結果は妥当だと思う。辛い評価になるのは、個人的にコーエン兄弟作の味わい方がよくわかってないのも大きいかもしれないが。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 2, 2016
ヘイリー・スタインフェルドって今何してるんだろ?と思ったら『はじまりのうた』や『ピッチ・パーフェクト2』なんかに出てた上に、歌手デビューも果たし、着実にキャリアを積んでいたご様子。https://t.co/uemPWcxzPz
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 2, 2016
対して『3時10分、決断のとき』、メチャクチャ面白い。西部劇としてしか成立しえない変な話の作品。男臭い正義や尊厳の話でありながら、何気にBL要素が散りばめられてるので腐女子の方々にもオススメ。泣ける、が冷静になって日本人の倫理観に立ち戻ると「何だこれ?」ってなるかもしれない……
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 2, 2016
ちなみに『トゥルー・グリット』は『勇気ある追跡』の、『3時10分、決断のとき』は『決断の3時10分』のリメイク。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 2, 2016
『ブラックブック』打倒ナチものでありながら、わりとエンタメ寄りの作りな上にテンポ良くサクサク進むので、体感的にこの辺で気持ち良く終わるのかと思ってたら、終わらない。時間を見るとまだあと1時間残ってる……
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 3, 2016
そこから、終わるのかな?いやここで終わるのかな?というのを繰り返し、もう残り時間もないぞと最後に辿り着くのが、まさかの、「結局終わらない」という地獄のような結末であったという、さすがポール・バーホーベン容赦ないなと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 3, 2016
あと主演のカリス・ファン・ハウテンの体の張り方が尋常じゃない。歌声も素晴らしく、エンドロールで彼女歌唱による、若干映画の後味に反するような優雅なビックバンド・ジャズ・アレンジの「A Hundred Years From Today」が流れるが、歌詞を調べるとここで流れるのも納得。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 3, 2016
陰毛を染めるとヒリヒリするということも学んだ。髪を染めた経験もないので。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 3, 2016
Carice Van Houten - A Hundred Years From Today https://t.co/DY7tw2fuO8
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 3, 2016
『わらの犬』スーパーヘイトフルで気味の悪い作品。西部劇であり、戦争映画でもあり、でも感触はほとんどホラーというか……。まあ、面白いからいいんだけど。ノーブラが引き起こす悲劇。 pic.twitter.com/U6IeFB1v4r
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 4, 2016
『皆殺しのバラッド』メキシコ麻薬戦争を扱ったドキュメンタリー。ギャング賛美の曲を歌う、粋がった田舎者シンガーの出世物語という音楽モノと、常に危険に晒されている良識ある警官の日常を追う犯罪モノとが並行に語られる、刺激が強すぎて面白いと言っていいのか悩んでしまう複雑な内容。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月5日
音楽や芸術のない世界は空虚であるが、音楽や芸術が悪のプロパガンダに利用されてしまうことも歴史が証明している。本当に地獄としか呼びようのない世界でサバイブするには何が必要なのか。そのヒントはこの作品の主役ふたりの対比から浮かび上がってくるような気がする。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月5日
セルジオ・ソリーマ『復讐のガンマン』 周りから推薦されて選挙に出馬しようとしてる元保安官の主人公が、幼女暴行殺人の容疑をかけられたメキシコ人の男を、大して裏も取らないまま勝手に正義を振りかざしてメキシコまで追いかけるというプロットが、アメリカ批判とも読める作りで結構面白かった。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月8日
『ある結婚の風景』第2話「じゅうたんの下を掃除する方法」、夫婦の会話のこじれ方や取り繕う様がリアル過ぎて震える。なるほど、あの時言われたことはこういうことだったのかと膝を叩いたりもしたが、ここで学んだことを現実に活かせる自信はない。 https://t.co/USesixLjHs
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月10日
『ルーム』言語を獲得する前の幼児の成長を、言語を獲得した子供の視点を通して描いた作品。部屋の中で生まれ、母親と2人きりという状況がこの特殊な設定を生み出すが、この悲劇的な状況に絆されない無垢な子供の成長を大人たちが見守ることで、決して消えることのない両者の傷を互いに癒していく。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 13, 2016
『ボーダーライン』は麻薬戦争を舞台にした西部劇だと思った。『アメリカン・スナイパー』がイラク戦争を舞台にした西部劇であったように……
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月13日
『ナルコス』や『皆殺しのバラッド』なんかで得た知識の賜物か、麻薬戦争のモチーフに関して本作で衝撃を受けることってそんなにないんだけど、その麻薬戦争が生み出したモンスターの存在がとにかくフレッシュで、しかも我々観客もそいつと真正面から対峙しなければならないという、その緊張感たるや。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月13日
と、一見感動作に見えるが、こういう批判があって然るべき作品でもある。本質は監禁モノでないが故に、監禁という題材を扱ったことに対する倫理的落とし前がつけられていないと思う。「“感動させる”演出に見る、映画としての倫理の緩み」 https://t.co/qiJIw98zcI
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月14日
このショットは良いなと。大惨事なんだけど、引の絵でバカでかいゴジラが遠くにポツンといるという。 https://t.co/3ogIGSlpkD pic.twitter.com/2rpEBAFqxn
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 14, 2016
『世にも怪奇な物語』衣装のセンスがぶっ飛んでるロジェ・ヴァディム監督「METZENGERSTEIN」、引くぐらい男前でいけ好かないアラン・ドロンが拝めるルイ・マル監督「WILLIAM WILSON」も素晴らしいが、やはりフェリーニ監督の「TOBY DAMMIT」が本作の白眉かと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 21, 2016
短編でありながらフェリーニのエッセンスが詰まりまくってる上に、67年の作品とは思えない、リンチや90年代のドラッギーな映像作品を先取りしたような映像感覚にはぶっ飛ばされた。最後にとってつけたような怪奇要素もたまらん。 pic.twitter.com/fdZuMnqTzb
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 21, 2016
『エデンより彼方に』めちゃくちゃ面白かった。トッド・ヘインズの狂気じみたこだわりに触れてクラクラしっぱなし。 https://t.co/gO5aiDLGY1
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 22, 2016
『Madrid, 1987』DVDスルーだが拾い物の秀作。新聞でコラムを書いてる口の上手いジジイが、近づいてきた美女にひたすらセックスさせてくれと迫る対話劇。しかも、あるきっかけで裸のままバスルームに閉じ込められ2日間一緒に過ごすことになるため、邦題は『バスルーム 裸の2日間』。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 24, 2016
その上アートワークもこんななので、完全にただのエロ映画扱いだが、ゴダールをコメディだと思って観てる同志や、ホン・サンス好きなら響くところがあるやも。ただのジジイの回春映画じゃんと突っ込みたくもなるが、原題の意味を考えると意外に…… pic.twitter.com/do1dOPlPzA
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 24, 2016
『レヴェナント』菊地さん言うところの「メキシコ人が撮ったリアル西部劇」。それなら俺絶対好きなはず!と期待して観たらあまりピンとこなかったという……。凄すぎるルベツキ撮影による映像としての感動と、『バベル』と似た「結局何がしたいんだよ!」的ガッカリ感が同時に味わえてお得な作品!
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 26, 2016
真面目な話「バードマン』の方が圧倒的に良い作品だと思う。『バードマン』にはこの作品を撮らねばならないという切実さが感じられるんだけど、『レヴェナント』は「おいらタルコフスキーみたいなのが撮りたいのねん」ぐらいの切実さしか感じられず、後半観ててどうでもよくなった。つうか長すぎるし。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 26, 2016
動画はタルコフスキーとの比較動画。あと題材が一緒の『荒野に生きる』との比較をしたいので、DVDなり配信なりして頂ければなと。The Revenant by Tarkovsky HD (Reference) https://t.co/DBd0fX97Ei
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 26, 2016
『ある結婚の風景』第3話 薄々こんなことになるのだろうとは思っていたけど、冒頭からの急展開には唖然。あまりに言ってる事とやってる事が酷くて笑えてくるが、「でも、こんな光景どこかで見たことあるぞ」という気にさせてくれるのは流石。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) April 28, 2016
『ゼロヴィル』のヴィカーがハリウッドに来て初めて入った映画館で『裁かるゝジャンヌ』を観るシーンを読んで『女と男のいる舗道』の某シーンを連想したけど、そもそも俺は『裁かるゝジャンヌ』自体を観たことないではないか!ということで今超観たい。https://t.co/vuBze3G1z5
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月28日
ジェームズ・フランコが演じるヴィカー。 pic.twitter.com/wE7I1vips8
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月28日
『惑星ソラリス』5回ぐらい気を失いかけて、その度に巻き戻しながらも完走。俺の好きなロザムンド・パイク寄りのルックスであるナタリア・ボンダルチュク演じる奥さんの唖然とする行動には強引に『ゴーン・ガール』を連想したり。それとは関係なしにゾッとするラスト・ショットが素晴らしす。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年4月30日