映画備忘録「6月」
『デッドプール』公開初日に駆けつけるカタチになり、熱心なアメコミファンのような格好になってしまったが、観た感想としては、まあ『アントマン』ぐらいの「小品としてはよく出来てる」ぐらいの感じ。やはり、本格的にアメコミもの卒業の日は近いようだ。残すは『スーサイド・スクワッド』のみ。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 1, 2016
普通によく出来てると思うけど、菊地さんの『アイアムアヒーロー』評で言われてるような問題がここにもあって、結局、映画版が原作よりヒエラルキー的に下にあることを観てるこちらが感じ取ってしまうんだよね。それは『ダークナイト』や『アベンジャーズ』には感じなかったんだけど。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 1, 2016
あと、ラブストーリー、もしくはコメディとしても、大人向け作品としてどうなの?ちょっと幼稚じゃない?っていうのがあるなあ。そのくせ暴力描写や下品さでR15くらっちゃって、その作品としての姿勢のちぐはぐさにイマイチ乗れなかった。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 1, 2016
ユーモアのセンスも「上手いこと言ってる!」と感心するような箇所は(気づかなかっただけかもしれないが)あまりなく、笑ったのは「それ、観てるみんなが思ってることだけど、劇中のお前が言っちゃうのか!」的なメタ的ギャグばかりで、それってユーモアのレベルとしてはそんなに高くないよなって……
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 1, 2016
『キラーカーズ/パリを食べた車』最高!同じ豪映画『荒野の千鳥足』の不気味さと、『マッドマックス』のおっかなさに、同時代の『悪魔のいけにえ』の、理由はわからないがひどい目に会う感じが相俟った、善悪の概念を超えた見事な不条理劇だった。 pic.twitter.com/DdJDgTEQMs
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 2, 2016
この仮装舞踏会のつまらなさそうな感じとか最高(端っこに映るばあさん顔ちっちゃ!)。この絵面でピンとくる人もいるかもしれないけど、ホラーというよりは『ホット・ファズ ー俺たちスーパーポリスメン!ー』的な話でもある。 pic.twitter.com/pDCS24W2E4
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 2, 2016
『山猫 4K修復版』映像がキレイ過ぎて、オープニングシーンを観ながら、フォントやフィルムの質感から「タランティーノ作品のオープニングみたいだ!」と頓珍漢なことを思ってしまった。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 3, 2016
ガチ貴族による原作を、ガチ貴族監督が映像化した「貴族もつらいよ」話にのれるかどうか。舞踏会のシークエンスのサリーナ公爵と、若くてイケイケなパリピがパーティではしゃいでるのを「俺も年をとったなあ」と眺める自分を重ねることで見事に克服。ファブリツィオ、その涙の意味俺にもわかるよ、と。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 3, 2016
あとクラウディア・カルディナーレ演じるアンジェリカが画面に登場するたびに、完璧としか言いようのない美しさに息を呑んだね。ただ、喋るとガラの悪さが露呈するので、彼女と本物のワルだったアラン・ドロンとが惹かれ合うの必然であり、お嬢様の平愛梨には長友がお似合いであるという結論に至る。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 3, 2016
アラン・ドロンと平愛梨。 pic.twitter.com/4Si9MopG0l
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 3, 2016
あと昨夜観た『キラーカーズ』の舞踏会との落差がハンパなくてクラクラした。『山猫』の豪華絢爛な舞踏会を観ながらそんな比較したの、世界中で俺だけだと思うけど。https://t.co/BcuokiyrYA
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 3, 2016
「『裁かるゝジャンヌ』これもまた、映画の勉強してる人は、第1ページに、トップに置く問題作品ですね」(淀川長治)
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 4, 2016
『星から来た男』主演のひとりがチョン・ジヒョンということで『星から来たあなた』と混同しそうだが『〜あなた』とは別種の感動作。大人の鑑賞に耐えうるヒーローものという意味では、こちらの方が昨今のアメコミヒーローものより優れていると思う。 pic.twitter.com/s0ZLnvsCOf
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
自分はスーパーマンであると思い込み、常日頃から人助けに勤しむアウトサイダー風の男をファン・ジョンミンが演じているのだが、これがハマりまくりで「ヤバい言動が目立つアレな人だけど、100%いい人に違いない」というキャラを見事に演じきっている。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
テレビ番組制作者のチョン・ジヒョンが、彼をドキュメンタリー番組の被写体として追いかけているうちに彼の素性に興味を持ち始めるという話。前半はコメディタッチでありながらも、彼の善行の様子を韓国的な詩情ゆたかな演出で見せていくので、笑えるというより薄っすら泣けてしまうぐらいなのだが、
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
ファン・ジョンミンがどうして自分をスーパーマンだと思い込んでいるのかという確信に迫る後半にさしかかると、話は一気にシリアスな展開に。そこから前半に張られた伏線をガンガン回収していく様は見事としか言いようがない。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
ネタバレにならないよう言うと、ラスト『バードマン』みたいなクライマックスを迎えるのだが、そこはとにかく最後まで描かないと気が済まない韓国映画、解釈を観客に委ねるようなことはせず、「ここで終わりでしょ」というその先の、先まで徹底的に描く。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
その結果、本作の水準からいくと出涸らしのような本当に地味なショットで終わるのだが、そこまでの流れをちゃんと見ていれば、この着地は当然と思えるつくりになっている。びっくりするぐらい地味な小道具の譲渡で大きなメッセージを伝えるとか、ほんと細かい演出が利いてて感心してしまう。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
一般作品(『アイアンマン』1作目と同じ2008年公開作)だけど、多少のアメコミ・リテラシーがないとなんだかよくわからないネタが何の説明もなく突っ込まれているので、韓国人って本当にアメコミ好きなんだなあと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
あとチョン・ジヒョン好きの立場からひとこと、バッグ斜めがけのチョン・ジヒョンが見れるぞ!とだけ。 pic.twitter.com/RLWtkVAia4
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
ちなみに、1980年の5月、韓国では光州事件という痛ましい出来事があってだなあ……
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 5, 2016
『白夜』 やっぱりこういう恋物語の舞台はポン・ヌフなのねと呑気に観ていたら、身に覚えのあるような展開になって辛いやら、滑稽やらで、最後はジャックの情けない丸まった背中に向かって「グッドラック!でも犯罪行為には手を染めるなよ!」と心の中でエールを送った。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 6, 2016
ブレッソン演出でエモーショナルなアクションは殆ど起きない作品だけど、自閉気味のジャックは抑えきれない感情を、持ち歩いているテープレコーダーに録音する。あまりに感情が溢れ出ちゃってるもんだから、バスの中でそのテープを再生しちゃって御婦人にヤバいなこいつってギョッとされるんだけど、
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 6, 2016
そのテープレコーダーをtwitterとかSNSに置き換えれば、急に我々にも無縁な話ではなくなり、メタ視点でもギョッとさせられるわけで。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 6, 2016
最後に今作のハイライトシーンをどうぞ。https://t.co/SXFj5y6nGL
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 6, 2016
『ある結婚の風景』第6話 完走。もうこれ以上ないというか、もっとみんな寛大になったらいいんじゃないですかね!という、さすがスウェーデン!1973年にこの着地はすげえなと感心することしきりの結末。 https://t.co/lKvcJTnVhg
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 6, 2016
『4人の食卓』またしてもチョン・ジヒョン主演作。ホラー売りされてたようだがホラーではない(監督自身も「ホラーかな?」みたいな反応)。良い作品だが、あと何かもう一押しあったら歴史的名作になったかもという惜しさも感じた。 pic.twitter.com/glPA6ZU9PC
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 7, 2016
ざっくり言えば「トラウマ」に関する話だが、テーマ的には「秘密を受け止められない、信じられない」といったことで生じる軋轢の話。ホラーではないと言ったが、小さいお子さんのいる方には刺激が強すぎるシーンが数箇所あるので、その点だけは覚悟していただければと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 7, 2016
あとチョン・ジヒョンって演技上手いんだなと思った。ただ、彼女は猟奇的なテンションの時と弱ってる時の落差で凄まじい輝きを放つ人なので、普通のテンションの演技だと、どうしても宝の持ち腐れ感が出てしまうのは否めない。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 7, 2016
「2時間で名作文学を知った気になろうシリーズ」でシャブロル版『ボヴァリー夫人』を。イザベル・ユペールがちょいちょいミア・ワシコウスカに見えるなあと思っていたら、ミア・ワシコウスカ主演の『ボヴァリー夫人』も公開を控えてる(カリコレ2016で)と知ってたまげた。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 9, 2016
ボヴァリー夫人はとにかく走る。 https://t.co/CWVt0pWnEu
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 9, 2016
— ®_OM (@co2bjetdudesir) June 9, 2016
シャブロル版『ボヴァリー夫人』 エマのキャラクターに関しては色々な反応があるだろうけど(『ボヴァリー夫人論』ではシャルルとエマが似た者同士であると指摘されているらしいけど、映画ではピンとこなかった)、不倫相手のレオンとの逢引の待ち合わせ場所がカテドラルってのはビックリしたw
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月9日
「ロメールと女たち」結局『クレールの膝』、『海辺のポーリーヌ』、『満月の夜』、『緑の光線』しか観れなかった。問答無用の傑作は『ポーリーヌ』、主役にイライラしながらもラストにはサムズアップした『満月の夜』と『緑の光線』、途中から最後までイライラしっぱなしだったのが『クレールの膝』!
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月10日
と言っても『クレールの膝』がつまらなかったという話ではない。ただ、基本ダメ人間は好きなんだけど、『クレールの膝』のジェロームとオーロラはダメ人間じゃなくて、単なるクズだなと思いまして。こういうクソみたいな大人たちに利用されないためにも、うら若き乙女達はこの作品を観るべきw
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月10日
『次の朝は他人』今回で3回目だが、やっぱり最高。ただこの邦題、間違ってはいないような気もするけど、どうしてもミスリードを誘ってしまうタイトルだよなあ。原題は『북촌 방향』。これを知ってないとラストショットの意味がぼやけてしまう。 pic.twitter.com/eTxbfMemO1
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月11日
『女は男の未来だ』こんな内容の作品をおしゃれ映画として売ろうとした日本の配給会社凄いと思ったら、そもそも本国の売り方がそうだったようで…。ホン・サンス作品で知る限り一番ロメールっぽいが、抜けの悪い感じが一昔前の日本映画っぽくもある。 pic.twitter.com/WTREyw3n4e
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月13日
実際はこんな感じ。 pic.twitter.com/ooFYW0Nr4M
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月13日
『気まぐれな唇』 原題は『생활의 발견(生活の発見)』で、邦題はハッキリ改悪だと言えるが内容自体は凄い傑作だと思う。大雑把にいうと、現報ステMC似のキム・サンギョン(役名はギョンス)が旅先で出会った女性ふたりとセックスするだけの話。 pic.twitter.com/ck6uilrw01
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月14日
それなのに、まあ面白い。02年の作品で、大したことのないエピソードの積み重ねの合間に時折謎のカットが挟まれる感じがツボで、最近の作風とは違うストレートな物語っぽく見せながらも、実はそんなに単純でもないという厄介さが、昔から変わらぬホン・サンス作品の魅力のひとつなのかもと気づく。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月14日
この次に撮った作品が昨日呟いた『女は男の未来だ』なんだけど、今作はロメールというよりブレッソンっぽい? ちなみにホン・サンスに対する韓国のゴダールという呼称、ゴダールっぽいと思ったのは『アバンチュールはパリで』だけなんだけど、他にゴダールっぽい作品ってあるのかな?
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月14日
『秘花 スジョンの愛』 イ・ウンジュのヌード推しでロマンポルノみたいなタイトルを付けられてるけど(原題は『오! 수정』)、内容的には『羅生門』系映画で、その構造に途中で気づいてから急に面白くなった。 pic.twitter.com/fvEbcU66jC
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月15日
厳密には『羅生門』と違い、視点の違いで話が大きく変わるといったつくりではなく、観客はおそらく真実はこうであったのだろうということを知りながらも、男女それぞれが、何を重要だと思い(記憶し)、何をどうでもいいと思っている(忘れている)かという微妙な差異を楽しむつくりになっている。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月15日
なので『羅生門』よりもっと似た構造の作品がありそうなのだが、次作の『気まぐれな唇』に『羅生門』を意識したようなカットがあったので、そのことに引っ張られて「ホン・サンスは『羅生門』が好きに違いない」と思い、参考作品として取り上げてみた。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月15日
同じシチュエーションで、男は女にプレゼントを贈って喜んでもらえたことを思い出としているが、女の主観上ではその部分はばっさりカットしていて、むしろ自分に会いに遠くからやってきてくれたことを思い出にしている、といった感じ。さらにもっと下世話な話でも男女の違いが露わになって面白い。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月15日
男女の違いというのは、単に男と女のふたりの視点で描き分けられているから、ぐらいの意味であって、必ずしも「こういう時、男はこういうよね」的な「性差による、あるあるネタ」という意味ではない。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月15日
『万事快調』 商業映画復帰作が、68年の革命の時期に出会った記者とその夫の映画監督が、72年の食肉工場のストに巻き込まれたのをきっかけに「あの革命はなんだったのよ」と振り返る苦い喜劇ってところが、食えない男、ゴダールらしいというか。 pic.twitter.com/as8r74VXS6
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月16日
同時に夫婦の関係も危機を迎えるが、夫婦それぞれに「でもやるんだよ!」と自らを奮い立たせる姿に感動を覚える。しかし、現代を生きる我々はそこに同時に空しさも覚えるわけだが、同様72年当時のゴダールもそこは楽観視しておらず、結末を投げっぱなしのまま作品を終わらせる。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月16日
『万事快調』 pic.twitter.com/jexJdLuLzE
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月16日
小ネタだけど、字幕では名前の出ないこの週刊誌ってシャルリー・エブドのことなんだよね。 pic.twitter.com/62kuKm76mx
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月16日
ホン・サンスの『映画館の恋』を観る方法って何かあるのだろうか……
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月16日
マリア、処女懐胎したってよ。 pic.twitter.com/6pVz8kAzvi
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月19日
『草原の実験』ばりのヤバさある。 pic.twitter.com/AomIxkOt5M
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月19日
『奇跡の丘』 キリストお馴染みのエピソードを淡々となぞるつくりで、壮絶な睡魔との闘いを強いられるが、最後の磔刑のシーンでパゾリーニが映画的ハッタリを炸裂させることで眠気も一気に吹き飛ぶ。奇跡は本当に起こります。 pic.twitter.com/fAyjSZlJ3t
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月19日
もう一人の美女と、キリストに試練を与えようとするも全部すかされる男の味のある顔。 pic.twitter.com/lx7SjSXeIe
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月19日
『王の運命―歴史を変えた八日間―』 傑作。韓国の時代劇に全く免疫がない自分でも何ら問題なく、韓国で有名な親子の軋轢を追体験しながら観ることが出来た。とにかく語り口が見事。どんな人が観ても分かるように説明台詞も多いが、構成や演出が巧みなのでそのことに煩わしさを感じることはない。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月20日
名君と呼ばれる英祖の、息子世子への見てて胃が痛くなるモラハラ(パワハラでもあるのかな?)によるダブル・バインド描写がえげつなく、それがエスカレートした結果「米びつ事件」の子殺しへと帰結する様を丁寧に描く。英祖が何故愛していた息子に敵意を剥き出しにするようになったのか。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月20日
自身の出自、王室という独特な世界が生むしがらみ、親の期待通りに成長しない息子といった要素が絡み合い、悲劇としか言いようのない決定的な親子のすれ違いを起こすが、この親子にこの悲劇を避ける術はあったのだろうかと思うにつけ、邦題にある『運命』が効いてくる(原題は思悼世子の『思悼』)。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月20日
ただ、今作で最も感心したことは別にあって。ユ・アイン演じる世子の息子イ・サンの大人になった姿をソ・ジソブが演じているのだが、そのイ・サンの子供時代を演じる子役がソ・ジソブにそっくりで、さらに大人になったイ・サン(つまりソ・ジソブ)がちゃんと世子(ユ・アイン)に似ているということw
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月20日
別に映画やドラマにおいて親子を演じる役者が必ずしも似ている必要はないのだが、今作においては世子とイ・サンが似ているということは演出的には結構意味があるんだよね。これから観る人がいたら、ソ・ジソブが初めて登場するシーンは是非刮目して頂きたい。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月20日
『さざなみ』とにかくよく出来ている。アカデミー作品賞は今作で良かったのではないだろうか。主演ふたりの熟年夫婦演技がハンパなく、特にラストの結婚45周年パーティのシークエンスにおける、シャーロット・ランプリングの、良き妻「なりすまし」演技の見事さには震えた。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月22日
先日観た『王の運命』もそうだけど、脚本がよく出来ていればいるほど、この悲劇は避けようがなかったのではないかという、運命論的要素を強化してしまうなと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月22日
カウントできる勢いで、トム・コートネイが破滅に向かって無自覚にシャーロットの地雷を次々と踏んでいく様が痛快でもあるのだが、シャーロット自身が、パーティ前日にそもそもふたりが出会うより前にとんでもない爆弾が爆発していた証拠を握ってしまう。この時の彼女の心境たるや。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月22日
『ひまわり』 日本でしか人気がない理由ってヘンリー・マンシーニのクドい曲のせいじゃない?と思うぐらい普通に面白い。とにかく、そりゃマルチェロも自然に彼女の胸に手が伸びるわ!というソフィア・ローレンの肉体の説得力が尋常ではない。 pic.twitter.com/E1VaNMrlsl
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月23日
マルチェロをめぐって対峙するジェニファー・ローレンス系美女リュドミラ・サベーリエワとソフィア・ローレン。子供なりに「これ、修羅場っぽくね?」と気付きながら傍観している野次馬少女軍団の存在が味わい深い。 pic.twitter.com/2wIoWuHBD9
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月23日
ロシア。 pic.twitter.com/Sp7MmAOp0B
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月23日
1番インパクトのあったシーン。家を訪ねてきた義母を迎え入れる際、テーブルに立てかけてあった掃除用具を窓から放り投げるソフィア・ローレン。呆気にとられる義母。 pic.twitter.com/SjFkg5Rml3
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月23日
ジガ・ヴェルトフ集団期の2作を観てゴダール熱が再燃したのと、『キラーカーズ』が結構な拾い物だった。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月23日
ゴダールの『パッション』では、ミア・ワシコウスカ度の高いベリーショートのイザベル・ユペールが拝めます。 pic.twitter.com/B8zLtYIFk7
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月24日
『愛と死の谷』面白かった。自殺した息子が遺した、デスバレーに指定した週に会いに来て欲しいという手紙が離婚した夫婦の元それぞれに届いたのをきっかけに、ふたりは数年ぶりに再会し、現れるはずのない息子が現れるという場所を訪れる、という話。 pic.twitter.com/5ZvCK5RzY4
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月25日
日本公開がまだ決まってないというのも納得の、魅力を説明しづらい内容なのだが、ネタバレにならないよう分かりづらく説明すると、韓国の『4人の食卓』のおどろおどろしい要素を最小限に抑え(リンチ的なギョッとする演出もあるが)、テーマをグッと前景化して全然違った結末を迎える、みたいな。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月25日
本当に面白い作品なのでちゃんと公開してもらいたいということで、セールスポイントとして、力士好きや「クマさんみたいな男性が好き!」という淑女に向けて、太鼓腹、灼熱のため(気温50度。60度の時もあったらしい)大半をほぼ裸で過ごす巨漢ジェラール・ドパルデューの好演をあげたい。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月25日
イザベル・ユペールの演技も当然素晴らしかったんだけど、トークショーで目の前にいた彼女は、少女っぽさもありながら、大女優としての加賀まりこ感も同居していて、作品内とは違った魅力が炸裂。そのため冷静に演技内容を振り返ることができないw pic.twitter.com/vHfNNgouXD
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月25日
監督はダニエル・クレイグ、もしくはプーチンっぽい、ギョーム・ニクルーなんだけど、『ミシェル・ウエルベック誘拐事件』撮った人なんだよね。こんなに面白い作品撮る人と知ってればイメージフォーラム・フェスティバル観に行ってたのに! pic.twitter.com/Nq9Qi8l5fr
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月25日
『クリーピー』前に座ってた老夫婦の女性の方が「あー嫌!あー嫌だった!」と、連れて来られたことを心底後悔していて、男性の方は取り繕うのに必死そうだった。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
『クリーピー 偽りの隣人』 感想を書くのに何から手をつけたらいいのか分からないぐらい様々な要素が絡みあったり、積み重なったりしていて、これこそが映画として「豊かである」ということなのではないかと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
ただ画的な豊かさには日本の郊外とかで撮ってるようでは限界があるので、これからガンガン海外で撮って頂ければなと。『ダゲレオタイプの女』も楽しみだけど、既に前田敦子を主役にロシアで撮った『Seventh Code』という傑作というか珍作もあるので、未見の方にはオススメ。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
『クリーピー』は、とにかく西島秀俊のにやけ顏につきるでしょ。香川照之の怪演っぷりは『贖罪』での怪演も観てるので既視感があった(にしても、今作は水を得た魚のように生き生きとしてたけど)が、それと匹敵する勢いでイカれてる西島のイカれ描写を丁寧に積み重ねていく様こそ、むしろヤバい。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
だからこそ、竹内結子の壮絶な叫びが効いてくるというか。香川のヤバさは天災みたいなもので、もう出会ってしまったらどうにもならない類のものだが(だから彼にコミュニケーション論みたいなものを持ち出しても無駄)、西島のヤバさはむしろどこにでも転がってるものだから、こちらの方がタチが悪い。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
ちなみに香川が「えー!犬を躾るんですか!」と驚く名シーンは、「えー!〇〇も使わずに躾られるんですか!」的な意味が込められていたのではないかと推測。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
黒沢清の『悪魔のいけにえ』リスペクトに関しては、例のドアの件もあるけど、割と早い時点で視点が内部に移って手の内を明かしてしまい、観てる側をハッとさせるという構成までなぞっていて感動した。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
『クリーピー』も今話題の「バケモノにはバケモノをぶつけんだよ!」的作品だよね。ぶつける主体は存在しないけど。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
敢えてあげるなら、黒沢清監督?
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月28日
まさかのホン・サンス フォロワーキタ! チャン・ゴンジェ、39歳。途中まで読んだけど、後は作品を観てから読もう。 菊地成孔の『ひと夏のファンタジア』評:言葉が浮かばない。今年前半で最も感動した、劇映画による「夢」の構造。 https://t.co/kbKGz4vwIU
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月29日
『アバンチュールはパリで』 公開時はとにかく衝撃的な作品という感じだったけど、今観ると「あれ?こんなにシンプルな話だったっけ?」と多少印象が変わった。とはいえ、すこぶる面白いことと、でもさすがにちょっと長いという印象に変わりなし。 pic.twitter.com/KvFd27Dnfd
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月29日
ホン・サンス作品はタイトルがストレートに作品の内容を語っていて(知ってる限り1番露骨なのは『今は正しくあの時は間違い』だと思う)、今作の原題が『밤과 낮』、英題『Night and Day』であることを知った上で観れば、今作が意識/無意識(夢)の話だと比較的簡単に気付くと思う。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月29日
まあ、初めて観た時の印象は邦題のせいでそのことに気づいていなかったが故のものだという言い訳がしたいだけなのだけれどw あと北朝鮮留学生の役ってイ・ソンギュンだったのね。今でこそ顔を見ただけで分かるけど、当時は知る由もなかった。今は名前でイ・ソンギョンとごっちゃになったりするけど。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月29日
一応詐欺みたいな日本盤予告も貼っておくけど、中身はポスターみたいに、どうしようもないが故に、身も蓋もないリアルな作品であるのでご注意あれ。 https://t.co/iWalunqyD1 pic.twitter.com/c7iNLYjbu0
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年6月29日