映画備忘録「10月」
「2時間で名作文学を知った気になろうシリーズ」で『プライドと偏見』を。ロマンティックコメディの元祖で『クルーレス』や『ブリジット・ジョーンズの日記』の元ネタでもある『高慢と偏見』の何度か目の映画化作品。主演はシリーズ初回の『アンナ・カレーニナ』でも主演だったキーラ・ナイトレイ! pic.twitter.com/IRnHuBmS90
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 2, 2016
共演者も凄くて、愛しのロザムンド・パイク、これが映画初出演のキャリー・マリガン、英国人全ての母であるジュディ・デンチ、そしてドナルド・サザーランドと豪華。とにかく、タイトルを『ベネット家の〇〇』とかにしてもいいのではないかというぐらい、ベネット一家が魅力的に描かれている。 pic.twitter.com/BX7IMMS7bb
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 2, 2016
前半の「うひょー!良い男を見つけるぜー!」と婚活に驀進する一家のエネルギー(18世紀の話なので今と結婚の意味が違う)とスピードに付いていくのに必死。舞踏会こと婚活パーティの一部始終に付き合わされるが、男も女も躍動感がハンパないので観ていて本当に楽しい。ワンカット3分長回しとか見事 pic.twitter.com/HWbgg8blRV
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 2, 2016
もう姉妹のかしましい感じがリアルで最高!
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「今度あのお屋敷に引っ越してくるやつ、独身のイケメンらしいぜ!」
「えっ!マジで!」 pic.twitter.com/ToD3XshjKc
しっかり者の姉ふたりと、何も考えてない妹ふたりに挟まれた、文学と音楽にしか関心のない三女(タルラ・ライリー)の存在も最高。舞踏会で男には目もくれず、ピアノの弾き語りを披露してたところを父親に止められるシーンの切なさたるや。 pic.twitter.com/g7xRURrse5
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ドキュメンタリーを観ると、この家族、撮影中ガチで仲がよかったらしく、オフショット映像のはしゃぎっぷりも最高で、母親のブレンダ・ブレシンも含めて、このアイドルグループなら推せる!と思った。 pic.twitter.com/VcuRDet7O3
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「だりー」
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「えっ!いきなり来るとか聞いてないんですけど!散らかってるっつーの」
と急いで片付け、平然を装ってのご挨拶。 pic.twitter.com/T7E8lxGN4c
前半のノリで最後まで突っ走ってくれたら、もしかしたらオールタイムベストとかになったかもしれないけど、後半は本来のテーマである「偏見を振り払い、相手の真の姿に目を向ける」という方向に一気に舵を切るため、シリアスなパートとコミカルなパートとがちぐはぐになってしまい失速感が否めない。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 2, 2016
とはいえ愛すべき作品であることは間違いなく、『高慢と偏見とゾンビ』への前哨戦としては大満足の一本でしたとさ。 pic.twitter.com/WK45zELJoN
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 2, 2016
『流れる』完璧じゃない?これぞ真のクールジャパンというか。芸者の置屋「つたの屋」を舞台に、完璧に仕事をこなす田中絹代演じる女中の目を通して、つたの屋の零落を描くという作品だが、シナリオ、演技、美術、音楽、何から何まで凄すぎて一瞬も目が離せなかった。ちなみに本作の猫の名前はポンコ。 pic.twitter.com/SID2VTJLPP
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 3, 2016
全編、女同士で嫌味や陰口が飛び交うシーンの連続で、最初はそのキツイやり取りに戸惑うが、主要人物それぞれの表と裏の表情がしっかり描かれるので、実在感が増してきて、そんな嫌味のひとつひとつにまで愛着が湧いてくるようになる。最後は田中絹代の気持ちに同調して彼女たちの姿を見つめることに。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 3, 2016
『高慢と偏見とゾンビ』 B級作品としてはよく出来ている(ゾンビものとしては平均的?その辺の評価は詳しい人にお任せします)といった印象。当たり前だけど原作ありきの作品なので、付け焼刃とはいえ予習しておいてよかった。https://t.co/QxiGTBX285
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 4, 2016
原作を知らなくても見れないことはないだろうけど、原作のどこにゾンビをブチ込むかが本作のキモなので、話の流れぐらいはおさえておいた方がいいと思う。原作ではなく『プライドと偏見』との比較で申し訳ないが、ゾンビを絡ませた上で『プライド』より上手いと思うシナリオ運びの箇所もあった。 pic.twitter.com/uCWSNoglWF
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 4, 2016
ただ、パロディとしてのシナリオ改変も途中までは上手くいってた感があるが、最後まで持ち堪えることは出来ず、なんとなく消化不良で終わってしまった感が。アジアの武術を学ぶことがたしなみとされていて、金持ちは日本、そうでもないものは中国で少林寺拳法を学ぶとかアホすぎて最高だったんだけどw
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月4日
なのでベネット姉妹は少林寺拳法を駆使し、それに対しダーシーは京都で何かの武術を学んで、武器は日本刀を使うという、なんだかよく分からない拘りの設定を披露しているw まあ、ストーリー上どうにも納得しがたいことがあっても、画像みたいなシーンにグッときてしまう人なら観て損はないと思うw pic.twitter.com/Z47qYprAmk
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 4, 2016
コリンズを演じるマット・スミスが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のジョージ(クリスピン・グローヴァー)みたいで、愛嬌があって良かったw よく知らないんだけど、なんか人気ある人らしいですね。 pic.twitter.com/t8ChdBVpVP
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月4日
あ、ここで言う原作とは『高慢と偏見』のことであって、小説版の『高慢と偏見とゾンビ』のことではないので悪しからず。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 4, 2016
リジー(エリザベス)かっけー!キャサリン夫人は、狙いは分からないでもないけど、ちょっと残念な扱いだったね…… pic.twitter.com/2t1dLmgRhe
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月4日
『女が階段を上る時』高峰秀子が銀座のバーのママを演じ、ただいるだけでも不穏な空気を放ち続ける仲代達矢がマネージャー役、テーマ曲は夜の街に合わせてジャズ(音楽は黛敏郎)ということで、甘みの一切ない、苦いを通り越して痛いぐらいに厳しい女のドラマ。個人的にはちょっとキツかったなあ。 pic.twitter.com/qnTZIIPzyO
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月5日
ベビーフェイス的な扱いの加東大介が見兼ねて高峰を救おうとしたりもするのだが、成瀬は決して甘い着地を許してはくれず、最後はタイトルの重みが骨身に沁みるつくりになっているが、それにより現代にも通じる作品としての強度を保っているともいえる。あと中村鴈治郎のイヤらしさが本当にキツいw pic.twitter.com/PcNUfss5Pk
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月5日
タマフルで三宅隆太さんが紹介していた『チャット 罠に堕ちた美少女』という劇場未公開作を観た。感動したというか、めちゃくちゃ良い作品だった。煽情的でガッカリな邦題だが、原題は『TRUST』と至ってシンプル。 pic.twitter.com/dRSJ0ZoewW
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
14歳の女子高生がチャットで出会った男に騙されてレイプされてしまうという邦題通りの内容だが、厄介なのは、彼女があくまで自らの意思で相手の行為を受け入れたと思い込んでしまってること。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
会ったら倍以上歳の離れていたことが発覚する男に、年齢差からうまく丸め込まれて依存状態になってしまい、「あれはレイプではなかった」と自身に起きたことを受け入れられない。さらにレイプにあって可哀想という周りの反応から、余計に殻に閉じ籠ってしまう。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
それに対して、子供達に理解のあるように振舞っていた父親(クライブ・オーウェン)が犯人への「怒り」から心理的視野狭窄になってしまい、勝手に捜査に乗り出して、無実の人間をボコボコにするなど『プリズナーズ』のヒュー・ジャックマンばりに暴走。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
(ちなみに『チャット』の方が古い。2人とも雰囲気が近いので今後記憶がごっちゃになりそう)
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
実のところ、心理的視野狭窄で互いが見えなくなってしまったこの親子がどうやって関係を修復するかがテーマで、親子の徹底した心理描写こそが本作の見所になっている。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
特に娘が自分はレイプされたのだと自覚する流れがリアルで、自覚することで事態が進展するかと思いきや、当然防衛機能が壊れた形になるので、精神的には一時的により不安定になるなど、性被害者の苦しみが丁寧に描かれている。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
ただこれ、とんでもないオチが付いてて、一応実話ベースらしいので事実なら仕方ない(創作だとちょっと悪質かも)が、結構ドン引きするオチになってる。ただ、これも本作のテーマを見失ってなければ、「そりゃこういうこともあるだろう」と冷静に観られると思う。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
「怒り」に囚われて視野狭窄になってしまってはいけないのだと。家族のために実際捜査にあたるFBIの捜査官より、心理カウンセラーの方がフォーカスされてるように見えるのも本作の特徴かと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月6日
『ディーパンの闘い』え!これがパルムドール?悪くはないけど、なんか煮え切らない作品だなあ……と。良い顔をした疑似家族3人の存在が良かっただけに、後半の飲み込みづらい展開が残念。ただ、セックスの本質的な必要性を描いてたのは、冗談抜きで良かったと思う。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月7日
『ミストレス』のフックとして、ブルックの登場を匂わすカタチで使われるアンティゴネーの名前。読んだことなかったので、新潮版の『オイディプス王・アンティゴネ』を読んでみた。なるほど、「善き市民」でいるか「善き個人」でいるか、という命題が、ブルックというキャラを形作っているのだなと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 9, 2016
『技術者たち』とことん賢いヤツと、とことん悪いヤツが対決するという構図を作るだけで、ちゃんと面白いエンタメ映画が出来るというお手本のような作品。観た後に菊地さんの批評を読むと、言いたい事がストレートに伝わってきて何とも味わい深い。 https://t.co/iMhs6p1nyV
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 10, 2016
『ロシアン・スナイパー』 結構面白かったのだが、文章にして褒めようと思うとドンドン穴が見えてきて褒める要素が無くなってきてしまったw とにかく女性に観てもらいたい。で、感想を聞きたい。女性の描き方はこれでいいのかと。 pic.twitter.com/gVfXxmv5tZ
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 11, 2016
軍人である父親に認めてもらいたいと願う何事も優秀なファザコン女性が、狙撃の才能があったために進んで戦場に向かう。自分の才能を理解できる自身も優秀な狙撃手である上官(続けて2人)と恋に落ちるが、次々と戦死。 pic.twitter.com/6WKw1ebP9G
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 11, 2016
女らしさを捨てて戦場に身を置いたものの、どこかで女としての幸せを求めてることに苦しみながら戦禍を生き延びる、みたいな作品。実在した女スナイパー、リュドミラ・パブリチェンコの実話をベースにしているのだが、おそらく創作であろう恋愛要素の描き方に古臭さは否めないし、
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月11日
エレノア・ルーズヴェルト大統領夫人との交流(一応事実)によって女らしさを取り戻すという展開もオチでガッカリしてしまう。でも途中までの、狙撃手として才能を開花していくシーン(最初の実践で仲間が撃たれていけばいくほど冷静になる)や、
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 11, 2016
上官に褒めてもらうために戦果を上げたくて、敵兵をバンバン射殺しまくって笑顔をみせるシーンの悲痛さとか良いんだよね。時代が時代なら、もっと違う生き方も出来ただろうし(大学で史学を学んでいた)、狙撃の才能がなければ進んで兵士になんかならなかったろうにと思うと……
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 11, 2016
エミリー・ブラント系の美女、ユリア・ペレシドがとにかくかっこいい!優秀なスナイパーとしての画的な説得力が並外れている。逆に肩から胸のあたりが逞しすぎて、可愛らしいドレスがあまり似合わないのは狙い通り? pic.twitter.com/jq066XujyQ
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 11, 2016
厳しい軍人の父に男のように育てられたせいで、ドレスを着るのにも許可が必要という、女らしさを否定された家で育ったという設定に見事にハマっている。 pic.twitter.com/EEBInf18Xe
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月11日
一応断っておくと、明らかにタイトルを意識してる『アメリカン・スナイパー』と違い、解釈が分かれようのないゴリゴリのロシア「プロバガンダ映画」(『アメリカン・スナイパー』俺はプロパガンダ映画だと思ってるけど)なので、そこで怒ったりする人にはオススメしませんw pic.twitter.com/pmbSIhf5uK
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 11, 2016
キービジュアルに『ラスト・ナイツ』感があるのは気のせいか? pic.twitter.com/TGYUW2g1GZ
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月11日
『セシボン』ハン・ヒョジュとキム・ヒエが出ているという一点突破で観たけど、これ酷い話じゃない?w ふたりが演じたミン・ジャンミンってやつが本当いけ好かない女で、彼女のために心に深い傷を負うことになる男が可哀想で可哀想で……
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 12, 2016
しかも実話を元にした作品でありながら、この男は完全な創作で、本当にくだらない物語に奉仕するだけのただの都合のいい男扱いされてて憤慨ものだよ!俺の好きな女優をふたりも使ってこの体たらく。いやあ、俺みたいな人間に向けて作られた作品でないことは分かってるけど、それにしたって酷い。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 12, 2016
今年観た映画の中では『ルーム』と並んでドーピングがキツイ作品。本当、頭に来る作品って、つまらない作品とかじゃなくてこういう作品なんだよなあ。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 12, 2016
『エージェント・ウルトラ』 主演は『イカとクジラ』でお馴染みw のジェシー・アイゼンバーグ。『イコライザー』に『アウトブレイク』やアレやコレやをマッシュアップし暴力描写キツめに仕上げた、いかにもオタクが考えそうな内容。ジェシーが実は殺人エージェントって設定が良かっただけに惜しい。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 13, 2016
『イコライザー』ばりにホームセンターが戦場になったりするのだが、(クソ真面目なデンゼル・ワシントンと違って)基本大麻中毒でポンコツ野郎のジェシーがボケをかます度に緊張感が途切れてしまうのが難点。まあ、大麻でラリって観るにはこれぐらいの緩さが丁度良いってことなのかもしれないけど。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月13日
『乱れる』 決して演技が上手いわけではないが人を惹きつけてやまない若大将、加山雄三のスターっぷり。今演じるなら水原希子あたりが適任であろう、浜美枝のお侠っぷりに、草笛光子の草笛光子的薄情さ。そして何より高峰秀子!脚本が高峰の夫・松山善三だからか、高峰の健気な可愛さ爆発! pic.twitter.com/lNFdZodRUt
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月14日
「自分の女房をここまで輝かせるか!」とある種の狂気すら感じるが、その一方で、監督である成瀬の死生観が思いっきり負の方向に振り切れた作品でもあり、タイトル通りの見事な悲劇だった。現状オススメするなら『流れる』か『乱れる』か、というぐらいの超名作だと思う。 pic.twitter.com/MziolmtyFW
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月14日
基本、現状 "作家性の強い作品を作るためには、戦略的にヨーロッパの資本も視野に入れて" いかざるを得ないという話。面白い。[骰子の眼] "黒い情念"に突き動かされてカンヌで受賞するまで『淵に立つ』深田晃司監督 https://t.co/XUWaU4BrsX
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 14, 2016
最近観た中で1番ぶっ飛んでた作品。盗みたきゃ盗み、(ふたつの意味で)ヤりたきゃヤる、という欲望に忠実な主人公の女が1番の悪人という、これぞ本当の男女平等作品、か? "Faster, Pussycat! Kill! Kill!" https://t.co/ohdCjlOz9V
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 15, 2016
H.G.ルイスの『血の魔術師』観た。本当に酷いのでみんな観て欲しい。しかし、リマスター処理が驚異のハイクオリティのため(予告編はビデオ映像)、チープな作りではありながら、実はルックや音楽は結構良いことに気づかされる。 https://t.co/ghG2YB1TZ4
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月16日
リマスター映像。グロ注意。 https://t.co/YLXD2fW2lh
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 16, 2016
『ソドムの市』資本主義社会を戯画化したものとか言われてるけど、俺はナチス、ファシスト擬似体験映画だと思った。なので不快に感じて当然。ナイーヴな人だと精神に支障を来しかねない内容のため、「何それ?」という人には軽はずみに検索することすらオススメしない。ひとことで言えば地獄巡り映画。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 17, 2016
こうして見ると、湊かなえ的な作家は大人げないだけだから許せないけど、パゾリーニは狂ってるようでいて、本気で人間の暗部を告発しようという覚悟が見えるから許せるんだなと思ったり。こんな作品でもユーモアが随所に散りばめられていたり、本当にギリギリのところで配慮してる様子が窺えたので。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月17日
ジャック・オーディアール監督、タハール・ラヒム主演『預言者』Blu-ray。 https://t.co/SLJid7WjOd
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 18, 2016
https://twitter.com/co2bjetdudesir/status/788373812437929989
ハスミンのやつはTHE蓮實節って感じだけど、個人的にはこのふたりのコメントがしっくりきた。 pic.twitter.com/8v3A8JugB4
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 18, 2016
『ダゲレオタイプの女』最高。あなたが本作を観てどう思うかなんて知ったこっちゃないが、今年観た新作の中で「これは『映画』だなあ」と思った映画は『ヘイトフル・エイト』と『ひと夏のファンタジア』と本作(と『愛と死の谷』)だけだ。ちょっと長くて尻が痛くなったけど必見作だと思う。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月18日
名画座で上映する時は『アンジェリカの微笑み』と併映にして欲しい。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月18日
ドレス。 pic.twitter.com/n27vdUnj9J
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 18, 2016
コンスタンス・ルソーの目がいいんだよね。本当、本作のマリーにピッタリの役者さん。ギョーム・ブラックの『女っ気なし』に出演してるそうなので、是非観てみたいのだが…… pic.twitter.com/h46DPYpD9X
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 18, 2016
『悪魔の沼』全編セット撮影、薄汚い気狂いジジイとハリボテの鰐が限定された空間(ド田舎のホテル)で暴れ回るということで、まるで松本人志のコントのような作品だが、大きな違いはトビー・フーパーが音響効果に異常な拘りをみせることで、観てるこちらまで気が触れそうになる音響になっていることか
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 19, 2016
薄暗く禍々しい雰囲気のホテル内で、ラジオから流れるカントリーソング、喧嘩してる夫婦の怒号、その夫婦の娘の泣き声という具体音に、さらにBGMとして電子音やノイズが同時に聞こえてくるという、まさに気狂いジジイの頭の中を再現したような狂気のミックスが何度も。マジで気が触れそうになる。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 19, 2016
この音響設計に関してだけは、名作『悪魔のいけにえ』より狂ってるような気がする。ただ、それが良いことなのかどうかは分からないが。ムチャクチャなのは単にマリファナの吸い過ぎによるものっぽいし。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 19, 2016
『バッド・チューニング』字幕表示が最悪で観づらかったけど、めちゃくちゃ面白い。さすがリンクレイター。マシュー・マコノヒーは「これはマシュー・マコノヒーだ」としか言いようがないほどにマシュー・マコノヒーなのに対し、ベン・アフレックはベン・アフレックであることに全く気付かなかった。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月20日
エアロスミスの「Sweet Emotion」から始まるのに原題の『Dazed and Confused』を変えちゃいかんだろと思ったけど、そんなことはどうでもいいって感じなのだろうか。 https://t.co/iSRJ1Q6nky
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 20, 2016
ディランとかもかかったけど、本当にBGMがハードロックばっかりなの最高。「Rock & Roll Hoochie Koo」がかったのも痺れた。 https://t.co/ARuY1S9SwQ
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月20日
『バッド・チューニング』は1976年5月28日のテキサスを舞台にした93年公開の作品。昨日観た『悪魔の沼』は76年公開(米公開77年)のテキサスで起きた事件をモチーフにした作品で、共通点があるわりに同じ時代の作品だとは到底思えず、アメリカって広いんだなあとバカみたいな感想を抱く。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月20日
『エイリアン』初めてちゃんと観たけど、『オデッセイ』や『プロメテウス』を通ってしまった後に観ると、結構引っかかってしまうポイントが多かったなあと。でもビジュアルの作り込み具合は今見ても(Blu-rayで観たので、当時上映されたものと同じではないだろうけど)100点。 pic.twitter.com/a9jmWleCh3
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月21日
『トゥルー・ロマンス』って、むしろ大人になってから観るべきものじゃない?タランティーノの意図に反して「こんなロマンスは存在しない」って意味でのトゥルー・ロマンスなんだから、トゥルー・ロマンスがあると信じてるような世代には退屈なのでは?
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月22日
タランティーノの脚本通りの結末だったら分かりやすいんだけど、トニー・スコットはそこに大きな捻りを加えて来たから、あまりに拍子抜けな結末に「えっ!」ってなるっていう。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月22日
『アッシャー家の末裔』(1928) https://t.co/5n9vIHAnyo
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 22, 2016
これを当てながら観た。たまに映像にバチッとハマって驚くw https://t.co/03siN394F8
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 23, 2016
今のような映画の文法が確立される前の古い作品なのでちょっと見づらいが、恐ろしくも壮絶な結末が素晴らしいので観る価値あり。『ダゲレオタイプの女』の元ネタのひとつなので、できたら『ダゲレオタイプの女』を観てから観るのをオススメします。 pic.twitter.com/CSKFUPzJpJ
— ®_OM (@co2bjetdudesir) October 23, 2016
『ハウス』『チェンジリング』などの「対幽霊屋敷映画」のルーツにあたるであろうロバート・ワイズの『たたり』。恐ろしいものは何も映らないが、精神的に危うい主人公が次々と超自然的現象を招き入れてしまう様が怖いというか。主人公が画面に現れた瞬間から「あっ、この人ヤバい!」と分かるの凄い。 pic.twitter.com/HWQR1ppSDR
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月24日
原題は『Haunting』なので、祟りといった災難的なイメージより、本来は心霊的なものが現れる、つまり存在しないものが見えてしまう、聞こえてしまうという、存在しないものに執着してしまう的な意味合いの方が強いのではないかと。 pic.twitter.com/yTRauQsLFQ
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月24日
もうこの世にはいない母の存在に怯え、統合失調症的な症状を抱えた主人公と、呪われた過去を持つ屋敷とが響きあうことで、症状が幻聴や幻覚といった域を超えて超自然的な現象へと具体化してしまうことが恐ろしいのであって、屋敷自体が恐ろしいわけではない。まあ、ちょっと建付は悪いみたいだけど。 pic.twitter.com/lbwr5TSyS9
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月24日
『マダム・イン・ニューヨーク』公開時に予告編を観た時から面白そうだと思っていたが、とにかくよく出来た作品で、NYを舞台にしたインド映画だけど、観ながら韓国のコメディ映画に通じるものを感じていた。画調が似てるのもあるけど、そのまま主人公をキム・ヒエに変えてリメイクできそうな感じw
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月25日
女は家で大人しくしてろというモラハラ旦那と、英語が喋れないことをバカにしてくる娘からのダブルの無理解に悩まされる奥さんが、いとこの結婚式のために訪れたNYで英語を学び、自己更新していく話。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月25日
フランス人男性に惚れられたりするお約束要素もありながら、安直な方向には転がらず、主人公のキャラに誠実に向き合った話運びで、クライマックスの(一気に伏線を回収する)英語でのスピーチは『英国王のスピーチ』なんかより100倍感動できるつくりになっている。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月25日
異文化交流ものでありながら、決めつけや偏見はよくないという真っ当な態度で作られてるのでそんなに引っかかるところはないのだが、ユソンという名前で中国人?アジア人は全員中国人扱い?ってのはあったなあw あと、タイトルは原題の『English Vinglish』の方が良い。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月25日
『あなた自身とあなたのこと』 動きが乏しい上にひたすら会話。その上、関係性が成立してない中での探り合いの会話が多いので、いつも以上に会話に中身が無いように見えて退屈に感じるかもしれないが、ホン・サンス作品にしては珍しくクライマックス的な展開があって爆笑。とにかく寝るな!耐えろ!w pic.twitter.com/ggIYVdZ6KK
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月26日
ヒロインのイ・ユヨンが、「わたし男ウケするみたい」とハッキリ言い放つ、ホン・サンス作品史上最強の隙だらけの女を演じている。『アトリエの春、昼下がりの裸婦』の時より若干ふっくらして、やたらとスタイルのいい黒木華という感じで、文化系女子萌え野郎を皆殺しにする凄まじい破壊力を誇示。 pic.twitter.com/jgwQzWuSLC
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月26日
ただ彼女の役、よく考えてみるとちょっと怖くない?という、かなり不思議なキャラで、彼女と関わることで過去の某作品のように迷宮に迷い込んで行くような感覚に陥るが、後味的にはギリギリのところで爽やかな方向に舵を切っているような気がする。ちなみに舞台は延南洞で、京義線森の道とか出てくる。 pic.twitter.com/BWcnSR1ziX
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月26日
六本木ヒルズからアンスティチュ・フランセ東京に移動して、ステファン・デュ・メスニルドによる「フランス幻想映画史」の講演を聴く。今『黒沢清の恐怖の映画史』参考書にこの辺りの怪奇/恐怖映画を掘るのが楽しくて仕方ないので、めちゃくちゃタメになる講演だった。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月26日
俺の中では、シュルレアリスムを媒介として、怪奇/恐怖映画とホン・サンスは繋がっているので、一本筋の通った、充実した一日を過ごせた。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月26日
『ダゲレオタイプの女』が『惑星ソラリス』を彷彿とさせる、ってなるほど。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月27日
『顔のない眼』を観ると、『クリーピー』のあの部屋の、オマージュの域を超えた独創性に感動する。美術的な面だけに限らず、墓地のシーンの機能まで取り込んでて凄いw
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月27日
『デンジャラス・ビューティー』サンドラ・ブロックのブス演出が凄い。最初、度を越したガサツさにマジで頭に来るのだが、見た目の改造は一瞬である(ので一瞬で解けるのだが)のと対比して、気づいたらそのガサツさが減退してたというぐらい、緩やかに内面が変化していくのは見事。 pic.twitter.com/So2DNLmaet
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月28日
見た目に見合った理想的な女性像に近づいていくわけではなく、事を荒立てないために発動するユーモアのセンスを武器に、ありのままの姿で仕事をこなして行くことで魅力的な女性になっていくというプロットなので、細かい点で古臭さを感じるところはあるが、『アナ雪』以降の今観ても普通に面白い。 pic.twitter.com/7G1ytgvQQj
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月28日
オネエキャラのマイケル・ケイン(一流美容コンサルタント)による突貫工事が飛行場の格納庫で行われるのは、美容が武装のメタファーとして扱われてることの証。実際脇では男性捜査官が銃の整備を行なっている。にしても、このシーンはカッコよすぎて何度も観てしまうw pic.twitter.com/B27dlulhFC
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月28日
『ファンハウス/惨劇の館』 遊園地版『悪魔のいけにえ』で、一見対象年齢低めに見えるが、大麻やセックスは当然、PC的にその扱い方はアウトだろ!という描写もあり、なんなんだこれは!という感じ。散見するスリラー、怪奇映画オマージュは楽しい。 pic.twitter.com/C8aWVQOwUg
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月30日
ただ黒沢清言うところの「死の機械」が動き出して(具体的には巨大な換気口のファンが回り出して)からの展開は、子供が見たらトラウマ級の恐ろしさ。 pic.twitter.com/6Obnfsbup7
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月30日
またしても今年のNo.1候補が…… あらまり+BUCCIキッズ "ちゃぷちゃぷローリーのテーマ~The Theme of Chap Chap Rolly" https://t.co/MsYkhXaMjd
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年10月31日
『永い言い訳』は久々に出た、刺さりまくり、打ちのめされまくりの「俺の映画」と呼びたくなる作品だった。あらすじを読んでそこまで刺さらなさそうだという人も、真平&灯ちゃんの活躍を見るためだけに観ても損はないと思うので観て欲しい。 pic.twitter.com/LgV0UiE1m3
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
【ネタバレ連投】『永い言い訳』は典型的な女性神話のモデルを辿ってるので、誰でも(刺さるかどうかは別にして)感動できるようなつくりになっている。陽一(竹原)はヒーローとして光の存在であり続けるのに対して、幸夫(本木)は影の存在であるが、陽一と出会うことで母/女神的存在へと成長する。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
ただ幸夫は幼稚過ぎてスタート地点が人としてマイナスという感じなので、成長したといってもようやく人並みになれたぐらいの話なのかもしれない。だからこそ俺には「刺さる」のだが、皆さんはどう思われるだろうか。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
あまり指摘してる人がいないみたいだけど、幸夫が小説家であることを見逃してはいけないと思う。彼が陽一の家族の世話を申し出た動機に、ただの善意だけでなく、彼等との付き合いが小説のネタになるという魂胆があったのは間違いない。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
だが幸夫は陽一の家族と接して幸福な時間を過ごしてるうちに本来の動機を忘れかけてしまう。そこに水を差してくるのが、池松壮亮演じる岸本や山田真歩演じる鏑木で、あなたがいる場所はそこじゃないと幸夫を追い込む。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
陽一は過去を清算するために、亡き妻ゆき(堀内敬子)が携帯に残した留守電メッセージを消去するが、幸夫は過去を清算するために一連のエピソードを元にした小説を書く。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
それが結果あの幸福な出版記念パーティーのシーンに繋がるわけで、ここに至るまでが幸夫にとっての「永い言い訳」であり、ここで初めて灯ちゃん(白鳥玉季)から受け取るプレゼントを手にすることで亡き妻、夏子(深津絵里)と向き合うことができるようになる。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
この幸夫の姿に、残酷なまでに人間の内面に切り込んでいく作法が他人を幸せにするかどうかわからないが、どこかでそう信じて作品を作っているという作り手、西川美和監督自身の姿が重なる。この作品は西川監督にとっての「永い言い訳」でもあるように思え、その監督の誠実さに共感を覚えた。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
ただ本作に無理矢理ケチをつけるなら、劇中に悪い人が出てこないことをあげる。でも本作にも悪い人はひとりいて、それが「本作をただの感動作にしてたまるか!」と足掻く西川監督なんだよねw 西川監督までただの良い人だったら、俺はこの作品をここまで愛せないと思う。だからこれでいい。最高!
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
『永い言い訳』のパンフレット。憎らしいぐらい隙のない充実した内容だが、話題の特典DVD「幸夫について本木が知っている二、三の事柄」が、映画本編の出来に揺さぶりをかけてしまうぐらいスリリングな内容で面白い。幸夫さん、俺も「捩れた自意識を救う会」に入れて下さいw
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日
幸夫が撮影中カメラの前でブチ切れるシーン、ほんと好き。ほんと最高。あそこまで剥き出しになれる人間に憧れるわ。 https://t.co/VfQnER6tsM
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2016年11月1日