映画備忘録「2017年2月」
『ザ・コンサルタント』 馴染みのない言葉であるが故に改題は仕方ない気もするが、観た後だとタイトルは『ザ・アカウンタント』以外ありえないという気になる。凄く変な映画だが、ベン・アフレックかJ・K・シモンズのファンなら観て損はないのでは。上手いとかいうより、とにかく変な作品だと思う。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月1日
『沈黙-サイレンス-』 浅野忠信が出てくるあたりから俄然面白くなった感じ。淡々としてるけど面白い感じは『哭声』と近い印象だった。あと、前半の溝口健二『雨月物語』にヒントを得たという画作りには『ヴァルハラ・ライジング』っぽさも感じた。これは単なるNWR厨の感想だけど。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月1日
あと、ちゃんと笑えるところもあるバランスで作られてるので、そんなにビビらなくても大丈夫。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月1日
美文過ぎてヤバい。 pic.twitter.com/Mb2ugne4ca
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月1日
『モデル連続殺人!』(『Sei donne per l'Assassino』)オープニング、完璧過ぎる! https://t.co/mVp8GbQqiY
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月2日
で、これがUS版『モデル連続殺人!』(『Blood And Black Lace』)オープニング。悪くはないけど、こんなおどろおどろしい映画じゃないw https://t.co/GgOS6RAjtg
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月2日
『ネオン・デーモン』に対しては愛しかない。 https://t.co/VdcLoZWCKd
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月2日
『フィアー・エックス』NWRの3作目。めちゃくちゃ地味な話でありながらとてもレフンらしい内容で面白かった。『ビデオドローム』と『シャイニング』を足したまではいいけど、重要なシーンは全部見せないという作りが酷評の原因だろうが、俺はその奥ゆかしさが嫌いじゃない。 pic.twitter.com/yc0uXu77VK
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月3日
ただ、本作ではあえて見せなかった派手なシーンを『ドライヴ』で直接描くことで、レフン自身の積年の恨みが果たされるという流れには落涙を禁じえない。あと犯人を追いかける側の主人公ジョン・タトゥーロがやたら尋問されるという展開も捻りが効いてて面白い。ちなみに音楽はブライアン・イーノ。 pic.twitter.com/1ZlQB5NyYt
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月3日
『セリーヌとジュリーは舟でゆく』 全く緊張感のない怪奇映画であり、女同士のバディものというか御機嫌なギャル映画、そして猫映画でもある。185分という上映時間になることも恐れない全編に亘るオフビートっぷりだが、終盤の高揚感は『デス・プルーフ』のそれとも似てて、とにかく愛らしい傑作。 pic.twitter.com/7f8UotyMLT
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月4日
ホン・サンスって描きたいことが明確にあるタイプじゃないけど、とにかく映画的手数が多いから、似たような題材で違った印象の作品をポンポン撮れる監督だと思っている。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月4日
対してチャン・ゴンジェは(二作しか観てないが)恋愛の一番良いところを描きたいという欲望があるタイプに見えるので、その強度を最大限に生かす条件が整えば『君の名は。』みたいなトンデモないヒットを飛ばす作品を生み出す可能性もあるのではないかと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月4日
『ザ・コンサルタント』を観る前に観とけよって話なのだが、『ウォーリアー』を観た。これ二つ共全く同じ話じゃん。家族の絆の話、というより家族という呪縛の話というか。このことで『ウォーリアー』と『ザ・コンサルタント』の間にある『ジェーン』のことが俄然気になりだした。西部劇でもあるし。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月5日
『ウォーリアー』でジョエル・エドガートンが凄い良かったと思って検索したら、『ジェーン』の方では出演するだけでなく脚本にもクレジットされてるのね。やべえ、『ジェーン』すげえ気になる。でも、おそらくギャヴィン・オコナーは観てて「なんかちょっと変じゃない?」って感じに仕上げてると予想。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月5日
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』 フリとオチが効いた傑作コメディ。特に前半の音楽の使い方とかヤバい。フリの部分では「あくまでフリなので」というような寝ぼけた展開が続くが、その合間でも暴力描写とセックス描写だけは目がギンギンになってる感じにDCの変態性が垣間見えて楽しい。 pic.twitter.com/BBXxzgjxhC
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月6日
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』で好きなカット。深読みしようと思えばできなくもないけど、恐らく本筋とはそんなに関係のない、印象的な背中の傷。どうしてついたのかは明白なんだけど、この傷を見せるために役者に負荷のかかるシーンを追加してる手間とかを考えると、監督の異常性にグッとくる。 pic.twitter.com/AxWHl7qauR
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月7日
『サンセット大通り』 問答無用の名作だが、自分も含め映画に詳しくない人は名匠ビリー・ワイルダー監督1950年の作品という情報から生まれるであろう先入観からテーマを見誤る可能性大。できたら先に『映画なしでは生きられない』のビリー・ワイルダー論に目を通しておくことをお勧めする。 pic.twitter.com/y7d5k6o4H1
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月7日
フィルム・ノワールにカテゴライズされてるみたいだけど、決して単純な悲劇としては描かれていない。そもそも、殺された人間が殺された経緯を自ら語るとか冗談がきつい。ラストでは映画に取り憑かれてしまった人間達がたどる末路が、観る側の倫理観を超えたところにある事を高らかに謳い揚げている。 pic.twitter.com/5l2U8DmqsU
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月7日
このテキストを読むと、いかに性格が悪い監督が撮った、狂った作品かが分かる。 https://t.co/VnJLEWRaSN pic.twitter.com/SzBt25MI5P
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月7日
『ウエスタン』165分の上映時間中、145分まで観ないと主人公の目的が分からないというとんでもない映画。その上セルジオ・レオーネ特有のゆったりとした西部劇時間が流れてるため、観てると軽くトリップする(そこが好き)。あと、この環境では危険過ぎるクラウディア・カルディナーレの衣装ね。 pic.twitter.com/fPUqMcIGkL
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月9日
『波止場』マーロン・ブランドの役がエリア・カザン監督自身の姿であるとか映画史的な話を抜きにしても凄い映画だった。裏切り者が自らの権利を取り戻すってのは大変なことなのよねーと、ボコボコにされたマーロン・ブランド(トム・ハーディの雰囲気と被るが、一番似てるのはヨンベ)を見ながら思う。 pic.twitter.com/7dHEfLDXXF
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月12日
『アンストッパブル』こんなの面白いに決まってるという安定感と強度がある。テーマは「Work」(実際↓が流れる)で、職業倫理を叩き込まれる教育映画のような側面もあり。意識的なのかどうか知らないけど、後進に道を譲るという遺作感もあった。 https://t.co/uhhq4NcVzr
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月13日
『ローマの休日』 良過ぎて泣く。オードリーの可愛さ爆発の序盤と、ラストシーンとのコントラストよ(その効果を狙ってか、一般的に見所と思われている一連のデートシーンでは若干ダレる)。仲間を売ったりしないトランボの強い意志と、「人は己の義務を果たすべき」というメッセージが重く響いた。 pic.twitter.com/G2zIpKhc6z
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月14日
『マーズ・アタック!』 政府はタカ派の陸軍大将の言うことを無視して他民族(火星人)との友好を図ろうとするが…なんて展開、今となっては前提からして成立しないわけで、前世紀末も遠くになりにけりというか。後年ジャッキーを演じることになるナタリー・ポートマンが大統領の娘を演じている。 pic.twitter.com/QLmdqsaSJY
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月15日
ニューエイジを茶化したり、ナタリー・ポートマンが読んでるのが釈迦の本だったりするんだけど、キリスト教が不在なのはなんなんだろ?って感じ。 pic.twitter.com/zNeiQZx1JS
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月15日
ルチオ・フルチの『荒野の処刑』 恐らく誰が観ても「思ってたのと違う」となるであろう怪作。原題は『I QUATTRO DELL'APOCALISSE』で、驚く程宗教色強め。バンバン人が死ぬ西部劇にあって、死と同等の比重で生も描いてて「えっ!出産シーンにこんなに尺とるの?」となる。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月16日
サントラのジャケとか↓だし(何故このデザイン?)、決して上手くもなければ、話のバランスもおかしいんだけど不思議と感動してしまう、個人的には傑作だと思う。あと娼婦役のリン・フレデリックがとにかく可愛い(これ重要)。 https://t.co/0qi8ZZ0OXr
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月16日
上述の記事で蓮實重彦が"撮れる人"と評した小森はるかの長編1作目。そこまで言っただけあって、紹介者の役をきちんと引き受けている。 残された命の響き、刻む ドキュメンタリー「息の跡」 映画評論家・蓮實重彦:朝日新聞デジタル https://t.co/Myusukcx49
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月17日
『遊星からの物体X』再見。初見より細部に目がいって面白かった。さらに『ヘイトフル・エイト』を観た後だと、思っていた以上に西部劇要素が叩き込まれていることに気づいたので、JCの資質もあるだろうがオリジナルのH・ホークス製作『遊星よりの物体X』も確認しなくては、という気分になった。 pic.twitter.com/ahBaeCTBYK
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月18日
橋本奈々未は『超能力研究部の3人』を観て好きになったんだよね。逆に言うと、超能力研究部を通して見た橋本奈々未しか知らないんだけど、噂を聞く限りこちらの幻想を裏切らないタイプの女性であることは間違いみたいなので、今も心の中で応援してる。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月20日
『殺人の追憶』ってこんなパンフレットだったの? https://t.co/wOtvEr0pIQ
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月20日
『忘れられた人々』 救いの要素ゼロ。貧困に絡め取られた者(主に子供)すべてが不幸になるという最高に後味の悪い作品。特にラストシーンの陰惨さには度肝を抜かれる。あと、盲目の男にはカラックスの『メルド』を、ブニュエルらしい悪夢のシーンでは『ダゲレオタイプの女』のイメージの源泉を見た。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月22日
『ラ・ラ・ランド』観た。アカデミー会員の皆様、主演女優賞はエマ・ストーンにあげて下さい。お願いします。 https://t.co/McHVDMYJn1
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月24日
エグゼクティブ・プロデューサーにクレジットされながら、汚れ役をやってるジョン・レジェンド凄い。 #ララランド
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月24日
『ラ・ラ・ランド』 過剰な記号、色彩、情熱の映画。ひと言でいうなら「狂ってる」と。でも、だからこそ「狂ってたっていいじゃない。狂ってる私を笑いたきゃ笑え」と力強く歌われたら、そりゃ泣くよね。『シェルブール』風の苦い終わり方もいい。 https://t.co/GytjlQuAEe
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月24日
ただ、これはジャズ警察が黙ってないのも確か。まあ、『セッション』よりは「愛してるが故に……」って感じにはなってたけど。何せ作り手は狂ってるからね。ジャズに限らずあらゆる方向に喧嘩を売ってるw
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月24日
「マイルスがおしっこしたマット」「え!本物?」はバカバカしくて笑った。 #ララランド
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月24日
これが噂の『ディストラクション・ベイビーズ』ですか……。いや、『哀しき獣」か。 pic.twitter.com/auWFsWssiG
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月25日
信じられないぐらいスタイリッシュな映像だけど、話はデカダン過ぎてつらい。特に可愛すぎる多岐川祐美が不憫で……。 pic.twitter.com/6n01gDiOd4
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月25日
冒頭の、インタビュー音声による石川力夫は頭が良かったという前振りが、劇中まったく活かされてないのヤバいと思った。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月25日
四方田犬彦『ルイス・ブニュエル』の『忘れられた人々』の項に記憶違いの記述が多すぎて驚く。スチル写真とか使ってるのに内容を再確認しなかったのだろうか。全部読んだわけではないので、どこかにエクスキューズが載っていたりするのかもしれないけど。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月25日
『妻は告白する』凄い。本当に凄い。これは世界の映画史に残る傑作ではなかろうか。法廷ものだが、ブニュエルの『エル』なんかを彷彿とさせる凄まじい狂気を湛えた作品。でもブニュエル好きよりパク・チャヌク好きとかに勧めたい。あと名画座通いの人たちが若尾文子に狂ってしまう理由がよくわかった。 pic.twitter.com/yLz86hd5QN
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月26日
妻の若尾文子にレイプ、DV、モラハラを働く夫の小沢栄太郎のこのツラを見たらそりゃ殺意も湧くよね、となる流れを丁寧に描いた先に何があるのかというのが物語の肝なので、イライラせずに最後まで観てもらえればという感じだろうか。まあ、ゾッとするよね、これは。 pic.twitter.com/Lub8U6mGlH
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月26日
デミアン・チャゼルの闇がさらに深くなりそうで不憫。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月27日
『ラ・ラ・ランド』独占を切り崩した『ムーンライト』と『ハクソー・リッジ』が結果的においしい思いをした回なのではなかろうか。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月27日
でも、これがデミアン・チャゼル的にはプラスなんだよね、きっと。
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月27日
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月28日
小沢昭一、31歳精油所の技師(実際は30代後半)。田村正和、大学生(実際は20代半ば)。 pic.twitter.com/yJgIVGtZkI
— ®_OM (@co2bjetdudesir) 2017年2月28日