R_OMの日記

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1ヶ月でフォースは覚醒できるのか ⑤

そして迎えた12/18。

 

予習期間が1ヶ月の超若輩者でも「面白くなかったらどうしよう…」という不安からくる緊張で謎の痺れに襲われるぐらいだから、オリジナル3部作をリアルタイムで観た世代なんかはどうだったんでしょうね。自分の症状の具合から推測すると、宇多丸さんが言ってたように「ジョン・ウィリアムスによるオープニング・テーマが流れた途端感極まって死ぬかも」って話はあながち大袈裟な話とも言い切れないですが、実際死者が出たという話は聞かないのでさすがに大袈裟だったんでしょう。

 

観たのが都内にある主要映画館ではなかったので、満員ではあるものの、想定していた「コスプレ組などの熱狂的ファンが大挙して押し寄せ大興奮」といった状態とは違い、だいぶ落ち着いた雰囲気の中、18時30分上映の回を鑑賞。時間になるとそれまで流れていた劇場アナウンスがぶつ切りされ暗転、予告編なしでいきなりルーカスフィルムのロゴが出てスタート。お馴染みの「A long time ago in a galaxy far far away....」の文章(ご存知かもしれませんが、この文章をgoogleで検索するとある仕掛けが…)が流れて「おぉー!」という歓声が落ち着く間もなく例のオープニング・テーマが流れて会場中で拍手が巻き起こるという展開。やはりここにも熱心なファンが集っていたのだと、この祭りの高揚感だけでチケット代の半分は元を取った気分でしたが、ど頭のストームトルーパーの輸送シーンの格好良さだけで本作は大丈夫という手応えを感じたので、開始早々に「面白くなかったらどうしよう…」という不安からは解放されていました。

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で、この記事は『フォースの覚醒』への導引記事なので、これ以上内容のことについて触れるのは控え、ネタバレ全開記事はまた別の機会に、ということにしますが、本作を観た感想は一言で言うとこんな感じです。

 

 

この記事を書いてる時点では、本作を3回観てわりと冷静になったつもりでいますが、それでも「『フォースの覚醒』最高でしょ!」という感想に変わりなく、やっぱりどう考えても製作陣はよくこんな無茶なことを成し遂げられたよなぁと感心するばかりです。初回鑑賞時は旧作の引用、もしくは反復によって組み上げられた「シリーズ7作目」という印象が強かったのですが、そういった印象はむしろ2回、3回と観ていくうちに薄まっていき、「SWの新作」であることを宣言するためには欠かせないありとあらゆるSW的要素をひとつにまとめ上げた、新3部作の土台として盤石な「新シリーズ1作目」という印象に変わってきました。

 

何はともあれ『フォースの覚醒』最大の魅力はレイの存在ですよ。まずルックスがツボなのもありますが、ユーモラスで明るく、誰かに頼らずともサバイブできる強さがありながらも、圧倒的に暴力的な存在に怯えたり、孤独になることを恐れたりと、人として当然あるべき弱さもきちんと見せてくれるキャラクターであるレイ。彼女がここまで魅力的なキャラクターでなかったら『フォースの覚醒』にここまで肩入れしなかったでしょうね。正直旧作にはいなかった推しキャラ(あえて挙げるならC-3POだけど)がEP7にして遂に登場ですよ。

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時折、山本彩とダブる受け口美女のデイジー・リドリー演じるレイ

 

映画は女優中心で観る質なのでプリクエルのパドメには期待してたんですけど、EP2以降のパドメがアナキンの添え物的な、凡庸な女性キャラに堕ちてしまいプリクエル自体の評価にも影響したのですが、レイにはその心配が無さそう(ルーカスが脚本に参加してない、なにより『アナ雪』を生んだディズニー制作、等の理由で)なので、EP8以降もパドメのように落胆をせずとも済みそうです。それにレイのような奥行きのある人物造形は相棒であるフィンにも、敵役であるカイロ・レンにも当てはまり、こういうキャラクターの描き方は、個人的には旧作より優れた点としてあげても良いと思います。その分ダースベイダーのような「魅力ある圧倒的な悪役」が存在しえないのは痛し痒しでしょうが。

 

そういった魅力的な新キャラの存在もあって無事私の好きなエピソードのNo.1になってくれた『フォースの覚醒』。そのタイトルにつられるように私のスター・ウォーズ熱も覚醒(とりあえずレイのベーシック・フィギュアと大著『スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか』なんかを購入)してしまったわけですが、あまり人様のブログを覗いたりしないので、今世間のEP7に対する評価がどうなっているのかよく分かりません。アメリカでは当初の絶賛モードに対するバックラッシュが起きてるなんて話を聞きましたが、自分の中での『フォースの覚醒』の評価軸はレイなので、今後そんなに評価が大きく揺らぐことは無いと思います。むしろ心配なのは、無邪気にレイ、フィン、BB-8が走り回れた本作とは違い、必然的にユーモラスなやりとりが減ることになるであろう次作EP8のことでしょうね。まぁ、それも「果たして無事EP9まで見届けることができるだろうか」という心配と比べたら取るに足らないことですが。