R_OMの日記

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1ヶ月でフォースは覚醒できるのか ①

私、一応2015年は200本ぐらいの映画を観た(劇場で観たのはうち40本ぐらいですが)ので、映画ファンの端くれぐらい名乗っても石を投げられたりしないと思う者なのですが、正直な話、『スター・ウォーズ(以下SW)』は今の今までちゃんと観たことありませんでした。物心ついた頃には普通にテレビでオリジナル3部作が流れていましたが、断片的には観たことがあっても、頭から通して観た作品は一本もありませんでしたね。なまじ断片的だと、テレビから流れてくる、ダース・ベイダーがルークの○であるとか、レイアがルークの△であるとか、そういったネタバレの価値を理解せずに「へぇ~」なんてそのまま受け止めざるをえず、結果オチを知っているため改めてちゃんとSWを観ようという気にはなりませんでした。80年代のハリウッド大作モノにはそういった作品が結構ありますね。『ET』や『インディ・ジョーンズ』なんかはいまだにちゃんと観たことがありません。

99年公開の『ファントム・メナス』以降のプリクエル(前日譚)3部作に関しても、EP1のボトルキャップ・ブームには乗っかって多少集めたりしたのですが、何故かその勢いに乗って劇場に足を運ぶようなところまで行かず、EP2、3に関してはいつ公開になったのか全く記憶にない有様。結局自分の中でSW熱が盛り上がるようなことは一切ないまま、「え?スター・ウォーズの新作?興味ねぇなぁ」というノリで2015年のSWイヤーを迎えることとなったのです。

そんな自分も、さすがに今回の新作はヤバいことになりそうだという予兆を感じとったのはこのティーザーに対するSWファンの反応でした。

 

 

というか、このティーザーに対するSWファンの反応というのは端的に言ってコレのことです。

 

SWファンであるマシュー・マコノヒーによるティーザー・リアクション動画という体の、『インターステラー』の映像とSWティーザーの有名なマッシュアップ動画です。この動画がいかによく出来ているかは『インターステラー』を観れば一目瞭然だと思いますが、たとえ観ていなくてもグッと来てしまう人は多いはず。マシュー・マコノヒーの熱演につられ、SWの新作を待ち望んでいた人たちの気持ちに移入してしまい、SWを1本も観たことのない自分も思わず落涙。この動画の再生回数が1000万回をこえているのは、単純に動画のクオリティの高さが話題になったこともあるでしょうが、このマシュー・マコノヒーの反応に自らの反応を重ねたファンが再生回数を伸ばしていたことは間違いないでしょう。つまりこのマッシュアップされたティーザーには、すでにファンの歓喜を呼び起こす何らかの力が宿っていたのです。

ただ、私はここで思いました。「と言っても俺、SW1本も観てないし、SWファンがこのティーザーのどの部分に歓喜したのか実感として理解は出来ていないのだ」と。つまり私の流した涙は想像した感情の上で流した涙であって、本当の涙ではない。この時点で私は、神を前にして真の涙を流すことができない人間として多少の罪の意識すら感じていました。それが今は違います。これらの動画を前にして真の涙を流すことができる自分がいるのです。

  

1ヶ月でフォースは覚醒できるのか ② - TMOMの日記

 

 

2015年K-POPベスト

Twitterでツイートしたものをそのまま貼りつけただけなので、若干見づらいですがご容赦下さい。

 

2015年映画ベスト

1. マッドマックス 怒りのデス・ロード 

2. スター・ウォーズ/フォースの覚醒

3. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

4. 今は正しくあの時は間違い

5. 彼は秘密の女ともだち

6. マジック・マイクXXL

7. はじまりのうた

8. 黒衣の刺客

9. 真珠のボタン

10. 草原の実験

次点(ベスト邦画)ぼんとリンちゃん

 

 

1位 マッドマックス 怒りのデス・ロード

やはりブッチギリ。作品としての強度が違い過ぎる。2015年、1番胸を打ったショットは怒りに打ち震えるフュリオサの目のアップだった。IMAX3Dで2回、4DXで1回、極爆2Dで2回の計5回鑑賞。Blu-rayも当然買った。

 

 

2位 スター・ウォーズ/フォースの覚醒

スター・ウォーズ』に対する私のスタンスは別稿にて述べるが、自分が心から好きだと言えるエピソードが生まれたことの喜びからこの位置に。確かに映像的なフレッシュさはない(唯一驚いたのはブラスターのビームをフォースで静止させる表現)が、それはむしろ物語をきちんと語るということに本作が比重を置いたが故だと思っている。世界中の老若男女に受け入れられる物語を、という期待に対する計り知れないプレッシャーに打ち勝った製作陣に敬意を表したい。あと最優秀女優にレイ役のデイジー・リドリーを。今の彼女に対する気持ちで1番近いのはなんだろ、恋かな。

 

 

3位 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

別に1位でも良かったんだけど、まだ全てを飲み込みきれてないのでこの辺が妥当かなと。映像と音楽の融合という意味では今年No.1の地位は揺るがない。

 

 

4位 今は正しくあの時は間違い

東京国際映画祭で鑑賞。なので、正式公開次第で来年以降も本作がランクインする可能性あり。ホン・サンスの作品の中でも、特に清々しい気持ちで席を立てる傑作だと思う。これで彼の作品を4年連続ランクインさせてるので、今後1番好きな現役監督はホン・サンスと公言していくことに決めた。

 

 

5位 彼は秘密の女ともだち

フランソワ・オゾンって改めて上手いなぁと。物語をスムーズに進める手際の良さたるや。プロット自体もすこぶる面白い。ただ予告編には文句があって、本作は「女としての輝きを取り戻させる」ような作品ではないと思う。

 

 

6位 マジック・マイクXXL

2015年『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と並んで真にフレッシュな作品は本作。男だとか女だとか、立場は色々あるだろうけど、みんなで楽しくやっていこうぜ!という「愛」に溢れた傑作。

 

 

7位 はじまりのうた

めちゃくちゃ感動したけど、これを1位にしてしまうのはさすがに無邪気過ぎる感じがして、自分には抵抗がありこの位置。ただベスト主題歌は問答無用で本作の「Lost Stars」。「菊地成孔の粋な夜電波『はじまりのうた』主題歌歌詞解説」回とあわせて聴いてもらいたい。

 

 

8位 黒衣の刺客

画力に圧倒される。それだけなのか?と問われれば、確かにそれだけかもしれないが、同時にそれだけで十分なのではないかとも思ってしまう。

 

 

9位 真珠のボタン

ドキュメンタリー映画という枠を越えた何か。同時公開された『光のノスタルジア』と合わせて、自分がラテン・アメリカ文化に惹かれる理由の一端に触れられた気がする。

 

 

10位 草原の実験

多くの人にとっての『海街diary広瀬すず枠にあたるのが、自分にとっての『草原の実験』エレーナ・アン。父は韓国人、母はロシア人、自身は韓国籍という演技経験のない美少女の貴重な瞬間が刻まれてしまっていることに最大の価値を置いている。なので、そういうタイプの観客以外には、特に教訓めいたことが示されるわけでもなく、ただポンとそこに置かれているというような物語の有り様に好みが分かれそう。

 

 

次点(ベスト邦画)ぼんとリンちゃん

2014年公開作、配信で鑑賞というイレギュラーな扱いでありながら、去年触れることが出来なかった以上、今本作をスルーすることは罪だろうと、些か強引ではあるがベスト邦画という枠で(『ハッピーアワー』は現時点ではまだ観れてない)。『海街diary』は傑作だと思うけど、どちらが自分の中で残る作品かと問われれば迷わずこちらをあげる。その差は「どちらの登場人物に実在感を感じるか」ということだと思う。